どうすれば、
地球温暖化の進行を
食い止められるか?
最も省エネな選択が 地球の未来につながる
省エネな住まいは環境にやさしい。
電気代の削減につながり、住む人にもやさしい。
はたして本当にそうなのか?
本質を深く理解せず、あらゆる「省エネ」を良しとしていないか?
「省エネ」なら「すべて大丈夫」という考えを、
もっと疑う必要があるのではないか?
地球温暖化は確実に進行している。
その流れを少しでも食い止めるため、
省エネルギーへの取り組みは必要不可欠。
日本の家庭でのエネルギー消費において、冷暖房は30%を占める。
この冷暖房のエネルギー消費を削減できる住まいづくりこそ、
わたしたちの使命。
夏は、外からの熱を室内に侵入させないこと、
冬は、室内の温かい空気を外に逃がさないこと。
つまり、「穴を塞ぐこと」こそ、省エネな住まいづくりの本質。
”素”の性能を上げ、1軒のエアコン台数を減らす取り組みが、
最も省エネで地球にも人にもやさしく、
真に持続可能な住まいづくりなのである。
どうすれば、
豊かさを手に入れ、
幸せを感じられるか?
自然がいつも側にある暮らし
世の中は便利だ。不自由もない。
欲しいものはすぐに手に入るし、どこへでもすぐに行ける。
モノが溢れ、情報は処理しきれないほど多様にある。
利便性や生産性を追い求めた結果、
人類はきっと想像するあらゆる欲を満たすところまで来ている。
そうして、わたしたちは本当に幸せになったのか?
住宅は工業化やシステム化が進み、オシャレなインテリアデザインで
グリーンを配置する「いい感じの家」が一律化するようになった。
でも、本当の幸せは、暮らしの中で感じる感性や
人間本来の感覚にこそあるとわたしたちは思う。
工業化では決して叶えられない、森と共存する家。
木々の香りが空間を満たし、
光を受け止めた葉が壁に自然の影絵を描く。
ざわめく虫の声や流れる川のせせらぎが、
静寂に季節のリズムをもたらす。
すぐ側にある自然の変化が、
五感で感じることを思い出させてくれる住処。
そんな場所にいると、
ゆっくりと時間が流れるような心地よい感覚がある。
自己肯定感が高まる瞬間を、家の至る所で味わうようになる。
そうした時に感じる感情が、幸せなんだと思う。
自然から届けられるたくさんの情報を取り込み、
幸せの感受性を磨く家をつくる。
ずっと生きていく場所だから、自然はすぐ側にあるほうがいい。
どうすれば、
日本の森林を
守れるか?
日本の山々との共創
この国で「木」の家を建てる。
あなたは「木」の家に使われる「木材」について、
疑問を持ったことがあるだろうか?
経済合理性が重視され、
安定した供給と低価格を求めて海外からの輸入木材が建築業界の主流となった今、
日本の豊かな森林資源と林業が、衰退の一途を辿っていることに誰も目を向けていない。
国土の3分の2を森林が占める木材資源に恵まれた国であるにも関わらず、
海外材に対抗する術もなく、創意工夫も見られなくなり、
「国産材」の価値は低迷。
手入れが行き届かずに荒廃する森が増え、
森林も地場産業も未来が見えなくなりつつある。
だからわたしたちは、
「国産材」の使用がスタンダードになる世の中を創る。
「国産材」の価値を創造し、その価値を高めることで、
人々の意識を変える。
森林と地場産業の未来を、どこまでも守り続けるために。
どうすれば、
「土地のもの」を
守り繋げるか?
職人技が活きる家づくり
大量生産による恩恵。
それは便利さと共に、安価に良品が手に入るようになったこと。
規格化が進む中で、同じようなものが揃い、
みな一様にそれを良しとする。
しかし、個性ある美しさや多様な魅力は「人の手」が生み出すもの。
わたしたちが「手仕事」にこだわる理由は、
「一つひとつが違う」ことにこそ価値があると考えるから。
天然木を床や天井に敷き詰めるのも、漆喰の壁を塗るのも、
すべて人の手による匠の技が生みだす景色。
そこに住まう人は、塗り壁や無垢材の一つひとつ異なる表情に魅了され、
心の落ち着きを得るのだ。
一方で大量生産や規格化がメジャーにあるこの世の中においては、
職人技や地場産業の需要が減り、衰退が加速している現実もある。
わたしたちには、この価値を未来へ繋ぐ使命があると思う。
古くから受け継がれてきた伝統的な技術や技法にこだわることで、
日本の文化や生活に根ざしたものを生み出す産業を
わたしたちが築いてゆく。
どうすれば、
地球にやさしい
家づくりができるか?
未来から考えた
バックキャストの家づくり
現在、日本では「30年で建て替える」、
「家族のステージが変われば建て替える」という
スクラップ&ビルドの考え方が、家づくりにおいて一般的である。
寿命や変化に応じて壊し、また建てる。
しかし、壊すことを前提とした家づくりで本当にいいのだろうか?
このままでは、環境負荷はさらに大きくなり、
空き家問題などの社会問題も一層深刻化するだろう。
新築を建てる時、30年後を想像しながら、
住まう人と一緒に考えることが必要だとわたしたちは思う。
なぜなら、そこには愛があるから。
家主に愛される家、家族に愛される家、愛が宿る家。
それはずっと残していきたいと思える「生き続ける家」であり、
引き継ぐことのできる家であり、
安易に「壊す」発想は生まれないはず。
だからこそ、いつまでも住み続けられる家を
一緒に考えることから、
家づくりを始めたい。