2023.12.05
/ Q&A /
出展:Miele HP
ランドリールームとは、洗濯に関わる家事をする為の部屋です。洗濯機で洗う⇒干す⇒たたむ+アイロンがけ・仕分けが一部屋で出来るという事で、新しい住まいでは採用する方が増えています。
元々、日本では洗濯物を外に干すという習慣があったので、あまりランドリールームに馴染みがありませんでした。因みに、海外では乾燥機で乾かす方法が主流なのでランドリールームはごく一般的です。
しかし、日本でも女性がフルタイムで仕事をする事が当たり前になり、また花粉症対策で洗濯物を外に干す事が出来ない!というご家庭が増えました。そこで、ランドリールームや室内物干しスペースへの関心が一気に高まっています。
文字通り、洗濯する・干す・たたむが一部屋で出来る専用ランドリールームを作った例です。洗面台やスロップシンクもつけてあれば、簡単な手洗や泥汚れなども同じ部屋で行う事が出来るので、正に洗濯系の家事を全て完結させる事が出来て非常に便利です。
脱衣室や洗面室を使う人とかち合う事もありませんので、生活動線を考えてもストレスフリーな方法だと思います。
デメリットは建物面積が増えてしまう=コストアップする事です。専用ランドリールームを作った場合、純粋にその部屋分の面積が増えます。今までの例を見ると、3畳以上で作っているケースがほとんどですので、数十万程度はコストアップすると思います。
加えて、注意点がもう一つあります。ランドリールームがあれば、衣服を畳むことまで1階で終わります。ですが、せっかくそこまで終わっているのに、2階のクローゼットまで運んで仕分けするのはとても面倒で嫌になります(笑)。ですので、1階にもクローゼットが欲しくなります。という事でさらに建物面積が増えます。つまりランドリールーム+1階クローゼット分ですので、実際には100万を上回るコストアップではないかと思います。
あった方が良いのは間違いありませんが、何が何でも全家庭に必要!では無いと思います。SNSではこういった話題の記事がとても多いですが、自分達の家庭事情に合わせて要不要を判断した方が良いと思います。
洗濯機は脱衣室に置き、物干は2階のフリースペースを活用したパターンです。このタイプのメリットは2階で衣服を干す為、乾いた衣服を仕分けする動きが短くてすむという事です。又、このタイプの場合、建物面積があまり増えません。脱衣室に洗濯機を置きますので家事専用スペースが不要、2階ホールや廊下面積が多少大きくなる程度ですのでコストアップの影響は少ないです。
デメリットは、濡れた洗濯物を持って2階に上がらないと行けないので、結局そこは面倒だ!という事です。
注意点は、脱衣室に物干金物が必要という事です。なぜならタオル系は2階へ上げないので、1階に物干金物などを設置しておかないとタオルなどを干す場所に困ります。
3番目は脱衣室自体を大きくして、室内物干し・アイロンなどもその場で出来るようにするタイプです。このタイプの場合、脱衣室を3~4畳にする事が多いです。一般的には洗面脱衣室と言えば2畳ですが、それでは洗濯干しとしては狭すぎますので、しっかり大きくした方が良いと思います。
メリットは、家事専用室を作るより建物面積を増やさなくてすむ上、洗濯家事は最小限の労力ですむという事です。便利さとコストアップのバランスを取ったやり方と言えます。又、写真の様に細かな収納を作りやすいので、家事系の生活雑貨をまとめて収納し易いのも良い点だと思います。
デメリットは①と同じく1階にクローゼットが欲しくなる為、その分面積=コストアップがあるという点です。洗濯物を干している間にお風呂の出入りがあるととても邪魔なので、互いの時間帯がずれる生活ルーティーンにする必要があります。
このタイプの注意点は、生乾きのリスクが若干あるという事です。洗面脱衣室は日当たりの無い場所に作る事が多いので、洗濯物が日の光で乾く事はありません。乾く時間が長いと生乾きになりやすいので、注意しましょう。私達の場合、室内が漆喰塗りなので部屋干しでも早く乾く!という利点はここではっきり申し上げておきます(笑)
※乾燥機追加型
最近では、そのあたりの事も考えて、洗濯機+乾燥機の2台設置する方も増えている様です。「かんたくん」が流行っているのもそれが理由だと思います。ただ、ウールや綿系の衣服が傷みそうという懸念もあり、室内物干しスペースは多少とはいえ必要です。
ランドリールーム・室内物干しの手法について幾つか書かせて頂きました。
①専用ランドリールーム型
②2階室内物干し型
③脱衣室ランドリールーム化型
と大きく3つに分けてそれぞれの良い点と悪い点を書かせて頂きましたが、生活スタイルや家族構成、建物にかけるコストと優先順位によって、ベストな方法は変わりますので、どれが正解とは言えません。また、一旦暮らし始めても家族構成が変わる中でベストな方法が変化する事も十分あり得ると思います。
そして、便利ではありますがコストが上がってしまう事も忘れてはなりません。家づくりの時には、自分達の生活スタイルをしっかりと考え、どうすべきか御判断頂ければと思います。