2023.12.05
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民法234条に「隣地境界線から50cm以上離して自分の建物を建てる」という定めがあります。ただし民法では、あらかじめ隣家の方の了解を取れていれば50㎝以内に建物を建てても問題ありません。ですが、隣家の方の了解は口約束だけにせず、必ず書面をもって交わしましょう。
民法にはもう一つ235条で、「敷地境界線から1m未満の距離に”他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側”を設置した場合、目隠しの設置を義務付ける」があります。民法の規定ですので、この規定に反したら必ず義務付けられるという事ではありません。目隠し設置による不利益や負担、実際に見通される事の影響など様々な状況を考慮して判断されますが、235条に配慮した設計はした方が良いと思います。
※この時の隣地とは、住宅が建っている場所に限ります。店舗/工場などは該当しません。
また、地域によっては隣地から1m若しくは1.5m離す事と定められている地区があります。街並や景観を重視する為に法令を定めているケースが多いです。土地を購入して住宅建築をお考えの場合、候補地にはどの様な法令が定められているかを不動産もしくは建築業者に確認しておきましょう。
建てた後のメンテナンスや修理が出来るように建物配置を考えておく事も重要です。例えば、我々の場合外壁が塗り壁ですので、隣地から70㎝程度離して建築する事が社内のルールになっています。また、給湯器やエコキュートなどを隣地との境に設置する事も多いですので、メンテナンスが出来る間隔は必ず確保しましょう。
まずは、隣地の窓の真ん前に自宅の窓を計画しない様にしましょう。互いに窓を開けられなくなり気まずくなりますし、場合によってはプライバシーの侵害として窓の変更を求められかねません。
また、隣の家の換気扇や給湯機の場所もチェックしておきましょう。もし1階に寝室などを計画している場合、隣の家の換気扇や給湯機の音が気になってしまう場合があります。あらかじめ分かっていれば設計段階で上手く配慮する事が出来ます。
注意すべきポイントが分かっていて、設計段階からしっかりと配慮していれば、隣地にすまいが合っても何ら問題はありません。十分に検討して誰もが幸せになる住まいを作って行きたいと思います。