もし家を建てるなら

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いつまでも愛されるロングライフデザインを目指して Part2

間取りではなく、屋根から考える

大屋根

 

住まいの外観を決める一番の要素は屋根になります。なぜなら、家の個性をもっとも色濃く表現するのが屋根の形だからです。

例えば、下の4枚の写真を御覧下さい。

出典:白川郷観光協会 HP

出典:SUUMO HP

 

屋根の形や組み合わせ、角度、軒の出が、一つ一つの住まいの特徴を決定的に決めています。実は、間取りは外観にさほど影響を与えません。

 

一般的には間取りを最優先で考え、間取りが決まってから外観・屋根を考えてしまう風潮が強いようですが、実はその順番ですと自分の理想とする住まいの外観を作る事はとても難しくなります。

 

毎日見る自分の住まいの外観、それを最も印象付けるのが「屋根」である以上、住まいは屋根から考えるべきなのです。

 

また、間取りから住まいを考えていくと、どうしてもそのプランの形は凸凹が多くなる傾向にあります。プランが凸凹していると、屋根も綺麗な形に決める事が出来ません。結果、外観もどこか妥協の産物になりがちです。

 

個性と美しさを実現する為に、住まいは屋根のカタチから考える事が第一です。

屋根から考えると構造が良くなる

大屋根 屋根から考える

 

屋根から住まいの形を決めるとデザインだけでなく、住まいの構造も良くなります。

何故でしょうか?それは屋根から考える設計の順序を見て行けばすぐに分かります。

 

例えば、、、

①屋根のカタチを最初に決めます。

②屋根を支えるための必要な柱の位置が決まります。その柱は屋根から1階まで綺麗に通り、さらに最小限の柱で住まいを支える事が出来ています。

③間取りを考える時にはすでに柱の位置が分かっていますので、その柱が空間の邪魔をしない様に間取りを作る事が出来ます。

 

⇒この様な流れになりますので、構造・耐震性も高いレベルで満たされた綺麗な間取りを作る事が出来ます。

 

反対に間取りを先に完成させてしまうと、

①1階と2階の柱の位置がズレがちです。1階と2階の柱の位置がズレると、、、

②地震の時にどこかに力が集中して耐震性が弱くなり、それを補うために梁や柱が大きくなったり増えがちです。

③間取りが出来た後、柱の位置を決めますので、耐震設計をした際に大きな空間の中にやっぱり柱が必要になったりする可能性が高まります。

④それを解消する為にさらに間取りをこねくり回す事になり、結果凸凹を無理やりまとめた住まいが出来上がります。

 

現代は技術も知見も発達していますので、どんなにこんがらがった計画の住まいであっても構造的に成り立つようにまとめることは可能です。ですが、それは、理想とする自分の美しい住まいと言えるのでしょうか?

屋根から中間領域を考える

屋根の計画では、かけ方を決めるだけではなく、屋根をどこまで引き延ばすか?高さはどの程度にするか等細かな部分も大事なポイントになります。

 

土間中間領域

 

特に、室内と外部の間に入る「中間領域」を考える時に、屋根の形は大きな関わりを持ちます。例えば、上の写真の様に広い土間の様な空間を作り室内と一体化した住まいの場合、日射を抑え、快適な場所にしてくれる屋根は欠かせません。この様に、住まいでの暮らしを豊かにする中間領域にも屋根は大きな関わりを持ってきます。

”屋根から考える”のまとめ

この様に、「屋根→中間領域→…」の順番で住まいを考えていくのが私たちの設計のやり方です。

 

住まいの個性と美しさを左右し、構造にも大きな影響を持つ屋根、ここから考える事がどれだけ大事か御覧頂けたのではないかと思います。私たちの考えに共感してくださる方をお待ちしております。

 

次回も、まだまだロングライフデザイン続いていきます。

/デザインから考える家づくり /

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