もし家を建てるなら
戸建住宅の太陽光発電は、現在では現実的な費用対効果が見られるようになってきました。電力会社への売電価格は現在1kWh当り16円(住宅用の出力10kW未満の場合)で今後も低下傾向ですが、それ以上にシステムの設置費用が低価格化してきたことで、現在の様な費用対効果が実現しています。今回は、弊社でご建築いただいたお施主様宅の太陽光発電による、電気の使用量や発電量、それに伴う収支データを基に太陽光発電の設置費回収までの期間をリアルにシミュレーションしましたので、ぜひ、ご覧ください。
1. 太陽光発電の有無による戸建住宅の電気使用量
今回のデータをご提供いただいたお宅の家族構成は、共働きのご夫婦です。また、設置した太陽光発電システムの出力は7.2kWh、費用は220万円(税込)です。
まずは、2022年のお引渡しから1年間の電気の使用量と料金を見てみましょう。(以下、料金は、電気使用料に再エネ賦課金と基本料金を加えた値です。)
太陽光発電を設置した戸建住宅の電気使用量
次に、同じご家族が太陽光発電を設置していない戸建住宅で暮らす場合の想定です。
太陽光発電を設置していない戸建住宅の電気使用量
これらを1年間の合計で比較してみます。
太陽光発電を設置した戸建住宅の電気使用量
太陽光発電を設置していない戸建住宅の電気使用量
ご覧の通り、太陽光発電を設置した場合、電気の使用量は約1,500kWhの節約、料金にして約8万3,000円の節約ができていることが分かります。
デイタイム(9:00-17:00)の電気使用量は、日中の発電をほぼ自家消費するため、太陽光を設置しない場合と比べ、極端に少なく(626kWh→27kWh)済んでいます。また、デイタイムほどではありませんが、ホームタイム(7:00-9:00、17:00-23:00)でも、半分以下と、電気の使用量を大きく削減できています。発電がほとんど見込めないナイトタイム(23:00-7:00)のみ同じ電気の使用量と今回は見立てています。
実際には、下のグラフの通り冬場の収支はマイナスとなるので、年間でのトータルの収支を見る様にしましょう。
2. 売電量と売電金額
では、このお宅の太陽光発電による実際の売電金額です。売電価格は、16円/kWhです。
太陽光発電による売電金額
太陽光発電の自家消費分を除いた電気で、年間15万円程度の収益が見込めます。
3. 太陽光発電システム設置費用の回収期間
ここまでに見た電気の節約金額(約8万3千円)と売電金額(約15万5千円)によるシステム設置費用(今回の場合は220万円(税込))の回収期間を算出してみます。もちろん、経年による発電量の低下があり得ますから、稼働効率の低下も見越します。
太陽光発電システム設置費の回収期間シミュレーション
視覚的に分かりやすい様、グラフで見てみます。
ご覧の通り、10年目を待たずして設置費を回収できると予測できました。これ以降、売電料金と節約電気料金は全て収入として手元に残るので、システムの消耗品であるパワコンなどの交換費は、この収益から賄うことができます。
4. まとめ
今後も太陽光発電の売電単価は下がることが予測され、費用対効果は上下するかも知れません。しかし、化石燃料や建設と維持に莫大な費用が掛かるダムを必要としない太陽光発電は、世界的にも高い関心が寄せられ続けており、人類が生き残るための持続可能な社会の実現には相性の良い発電システムです。また、個人にとっても、上記の様に収益をあげることができるだけでなく、地震や台風などによる災害時でも、太陽光発電によって自宅での生活を維持する可能性を高められます。
実際の太陽光システム設置には、建物の立地条件による細かなシミュレーションデータを作成し、お客様ごとに最適なシステムをご提案します。
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