もし家を建てるなら
《対談》どうなる!? 住宅ローン金利 今後の見通し【No.3】(全4回)
選択されることが多い住宅ローンは何?
(司会)
実態として、お客様がどちらの金利タイプのどの様な住宅ローンを借りているか教えていただけますか?
(イエール)
およそ7割から8割ぐらいは変動金利を選んでいるかなという印象です。
固定金利を選ばれる方は、多少金利が高いことを考えても返済的に全く問題がなく、むしろ金利が変動しないことが圧倒的に自分たちの生活にメリットがあるというご判断ですね。例えば、ご自身で経営をしていらっしゃる方などは結構この固定金利を選ばれていますね。
一方で、変動金利を選ばれる大半の方ですが、どの金融機関を選ぶか?っていうところはかなりバラつきがありますね。地方銀行を選ばれる方もいれば、ネット銀行、信金、労金、JA、勤めていらっしゃる会社との提携の強さで選ばれる方もいますね。それぞれのメリットで選んでいらっしゃいますが、その他にもその方の希望ですね、例えば、とにかく低金利で安く返したいのか?保険の商品を充実させたいのか?など色々なケースで借入れ先が違います。それぞれの金融機関で特徴が変わりますが、「今は何が一番人気か?」というよりは、お客様のニーズによって全然違ってきますね。
ただ、数年前と大きく変わってきたのは、ネット銀行に対する不信感がだいぶ下がってきたことですね。コロナによって、仕事をリモートですることが増えたことが影響しているかと思うのですが、対面で行なう方が安心だったものが、いろいろとネットでショッピングをするとかネットで人と会話をするとかいったことがスタンダードになってきたっていうことで、ネットでローンを借りるということに対するアレルギーもだいぶ無くなってきたのかという風に感じています。
ネット銀行も有効な選択肢
(森)
確かにそれはありますね。以前は、数千万円という大きな金額を動かす手続きを対面で行なわないことに対する拒否反応って結構あったんですけど、最近は、ネット銀行なら「やっぱり金利が低いからいい。」っていう判断をされる方が増えている実感はありますね。
(イエール)
そうなんですね。アイジーさんは、以前からネット銀行を紹介されていたんですか?
(森)
ネット銀行を紹介するというより、以前は今よりも固定金利が低く優遇措置でさらに金利が下がる商品が多かった時代があって、その時は固定金利を勧めていたんですが、既存の銀行よりも結構金利が低かったのがネット銀行だったということです。
住宅ローンは最長35年の長期返済計画で組む方がほとんどで、家づくりの考え方として、長期の金利変動リスクを取るのはあまり安心できないというお話をお客様にしていたんです。なぜかって言うと、住宅建築では建てた後の暮らしが一番大事なのに、金利が変動することで返済や生活が対応しきれなくなってしまったり、日々、金利の変動を気にしながら暮らすのではマイホームを建てた意味がないですよね?という考えです。目の前の月々の支払いをただ下げたいっていうためだけに(金利の低い)変動金利を選ぶのはちょっと危ないですよと。
固定金利の良いところは、将来の資金計画が分かることです。月々の支払いが35年間明確に分かる。35年間月々の支払が決まっていれば、例えば子どもの教育資金や車の買い替えなどに対して計画を立てられるので、その方がお客様にとってもメリットでした。
ところが、現実的にはつなぎ融資が無いとか、お客様とネット銀行とのやりとりが私たち建築会社には見えないとかがあって、下手をすれば融資が間に合わず工事に影響するというリスクもあったんですね。その内、これをずっと続けるのはお客様にとってもリスクになると考え始めたところで、その課題解決としてイエールさんとのお付き合いが始まりました。
(イエール)
ありがとうございます(笑)
でも、実は私も以前は住宅営業マンでして、その当時はネット銀行のコントールのできなさに苦労しておりました。例えば、建物の登記に間に合う様融資の手続きを進めるにも、全てお客様に動いてもらってネット銀行との手続きを進めてもらわないといけないので、私が手出しできないことが本当に心配で、何とか融通の効く地銀さんで申し込んでもらえないかと色々考えていました。とは言っても、最近のネット銀行さんの最優遇金利キャンペーンとか使うと、とても既存の銀行ではかなわない低金利で住宅ローンを組めたりするものですから、それはそれでお客様にとって大きな魅力というのも事実ですよね。
そこで弊社の様な、お客様と金融機関の間に入って手続きをサポートする企業が入ることで、お客様にも建築会社様にも滞りなく建築計画を進めていただけるというのは、双方にとってメリットになると思っています。
現在、変動金利が低いという中でも、ネット銀行の金利が特に低くて、弊社の様な住宅ローン紹介会社を挟むことによる費用を考えたとしても、最終的な返済金額が安くなるケースも出てきています。実際、弊社で言えばこの一年間でその様な借入れをする方が一気に増えています。(次回に続きます。)
《対談》どうなる!? 住宅ローン金利 今後の見通しシリーズ
#住宅ローン #金利動向 #ネット銀行