もし家を建てるなら
今回のお施主様方へのアンケートは、漆喰のお手入れについてです。
いただいたご回答は、実際に漆喰の塗り壁の家に住まわれる方の実態が分かり、今回も興味深いものでした。
また、「なるほど。」と思わされたこととして、今回のご回答者は過去のアンケートで一番少ない15組様ということです。これは、一般的な内壁仕上材のビニルクロスよりも圧倒的に情報が少ない漆喰の家でも、住んでみれば当たり前の様に暮らし、日々の生活ではそれほど気になる様なことが無いことの現れではないかと感じたからです。
漆喰の日頃行う掃除頻度を教えてください
傷の補修ではなく、日常的な埃や汚れについて伺いました。
いかがでしょうか?
これから家づくりをご検討される方で漆喰の汚れをご心配な方には、背中を押される様な結果ではないでしょうか。
これはもちろん、漆喰が汚れないということではなく、思っていたよりは掃除をせずに済んでいるという事実が分かるということです。9割近い方は、頻繁に掃除をするほどの必要性をほぼ感じていないということが分かりました。
漆喰に傷や汚れがついていますか?
次に、これから家づくりを始める方には気になる、傷や汚れについて伺いました。
6割以上のお施主様が「ある」とのご回答。
ご回答いただいたお施主様からいただいた見事な(?)壁の欠け
さて、ここで気になるのはその後のお手入れです。
傷や汚れを自分で補修、清掃をしたことがありますか?
では、その補修や清掃を自分でやってしまう方は、どれくらいいるのでしょうか?
こちらは、7割以上の方が補修や清掃をしたことがあるとの結果。
興味深いのは、ビニルクロスでも汚れの清掃は自分ですると思いますが、補修となるとほとんどいないのではないかと予想される中、漆喰は「補修する」という選択肢があるというところです。
実は、どんな傷や汚れがありますか?とも伺ったのですが、ご回答いただいた11組様の内、9組様が漆喰の壁(特にカドの部分)に掃除機などのモノをぶつけてできる傷とのご回答で、汚れについては子供の手垢や落書きなど4組様でした。
汚れより傷の方が気になるということだと思いますが、傷はビニルクロスでもカド部分には同じ様に付きやすく、またクロスの継ぎ目がだんだん開いてくるということもあるので、どちらの仕上げも良い悪いということは無いと思います。ただし、傷は自分でも補修できるというのは漆喰の利点と言えるでしょう。
傷や汚れを直したいと思いますか?
ちなみに、補修や清掃を行っていない方に、その補修や清掃をしたいと思っているかを伺ってみました。
回答結果に「意外」と思われた方も多いのではないでしょうか。
約7:3の割合で補修や清掃しなくても構わない方が多数を占めました。
これは、漆喰や無垢フローリングの様な自然素材では「あるある」で、小さな傷や汚れが気にならない、あるいは部屋に馴染んでしまったと感じるなど、自然素材にお施主様の感性がマッチしてくる様な現象としかいい様のないご感想をいただくのは確かなのです。
「えー!?さっきの写真の様な傷が、気にならないなんて信じられない!」という声も聞こえてきそうですが、こればっかりはその人の感性によるもので、傷や汚れは何でも悪いと言い切らない感性は、逆に日々の暮らしに心のゆとりを育む自然素材ならではの特徴ではないでしょうか。
傷や汚れは、入居前の想定通りでしたか?
さて、少し視点を変えて、入居前と後での部屋に付く傷や汚れの印象を伺いました。
こちらは、想定通りと想定よりも少ないの2つを合わせると7割以上を占め、先の「傷や汚れを直したいか?」の結果にほぼ沿うものとなりました。注意しなければならないのは、傷や汚れが想定よりも多いと感じ、それを直したいと思われる方も無視できない程度にいらっしゃるという事実です。ここは、私たちも「傷や汚れは、思ったほど付きませんよ。」とは安易にお伝えしませんし、このご判断はご自身でしていただくことが一番だと考えており、そのためには、お打ち合わせ中のお客様をアイジースタイルハウスでご建築いただいたお施主様宅にご案内するなど、最大限の配慮をしています。
お施主様からのアドバイス
最後に、漆喰の傷や補修について、お施主様からのアドバイスを失敗談も含めて記載します。
やって良かった・他の人におすすめしたい方法
- 補修は、何ヶ所かまとめてやると漆喰が無駄にならないで済みます。
- 漆喰を塗る作業は意外と楽しいので、ある程度傷が溜まってから1度にやると気分的にリフレッシュします。
- 消しゴムは想像よりきれいになりました。
- 補修用に小さいコテを購入した方が、きれいに仕上がります。
- ホームセンターで、漆喰を塗る為にパテ(?)を買ったのですが、柔らかいものを選んだのが正解でした。
- とにかく水をスプレーすると汚れが取れて行く。
失敗談
- 補修用の漆喰に加える水の量が多すぎて粘度が低くなり過ぎました。
- ひび割れ補修は数年待ったほうがよいと聞いたのですが、目についてしまい、塗ったところ、また同じようにひび割れができてしまった。
- 角はぶつけやすく、欠けやすいので気をつけて掃除をすれば良かった。
- 補修の時の水の量を間違えると見栄えが悪くなる。
自然素材は、心身への良い影響がいろいろとある特徴的な素材ですが、経年変化や素材独特の性質に合わせたお手入れが必要なこともあります。何でもマニュアル通りという訳には行かず、愛着を持ってお手入れをする中でだんだんと素材との自分なりのお付き合いの仕方ができあがってくるものだとご理解いただけるなら、住み続けるうちに豊かな心や感性が育まれ、日々の生活にも喜びやゆとりを感じられる素晴らしい素材です。
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