もし家を建てるなら
いざ注文住宅を建てよう!と思い立っても、さて、費用はどれくらい掛かるのか?そもそも、相場はどうなのか?と、いきなり馴染みのない問題に直面する方が多いと思います。
せっかく注文住宅を建てるなら、可能な限り自分の要望を詰め込みたいところですが、予算を視野に入れなければなりません。自分の好きなように家を建てるためには、何にどれくらいの金額が必要なのか把握しておく必要があります。
この記事では、注文住宅の相場と費用ごとにみる注文住宅の特徴を解説しました。
1.注文住宅でかかる費用は?
はじめに、注文住宅を建てる際にかかる大まかな費用を解説します。
1.1.土地代
土地代は注文住宅にかかる費用の中で、一番大きな割合を占めます。
都内や駅の近くは利便性の良さから、一般的には土地代が高くなります。また、地盤が弱く建物の倒壊の恐れがある場合や、建物の建築用地として整備されていない土地の場合は、地盤補強や造成など土地の改良費が必要になることがあるので、土地代だけではなく、その他の費用が必要かどうかの判断も欠かせません。
1.2.建築費
建設費とは、家を建てる際に必要な工事費用全般のことです。
基礎工事や内装・外装工事、設備工事など、工事を行う際には、さまざまな費用が発生します。あくまで傾向の話になりますが、建築費が高い順にハウスメーカー、中小規模の建築会社、工務店の順が一般的ですが、その費用が注文住宅の内容に伴うかどうかの判断を自分自身の考えで行うことが重要です。
大手ハウスメーカーの費用が高くなるのは、広告費やモデルハウスの維持費分を建築費用に上乗せするという理由があります。一方、地域密着型の工務店は集客にそこまでのコストをかけない分、費用を抑えられるといえます。
ただ、建築費があまりにも安い工務店は、本当に信頼できる業者なのか、確認しておく必要があります。戸建て住宅は数千万円規模の買い物です。コストを下げることだけでなく、信頼できる業者を選ぶことも視野に入れておきましょう。
1.3.そのほかの諸費用
不動産の購入には、名義変更や所有権などの登記手続きをしなければなりません。
土地購入し注文住宅を建てた場合には登記を行い、登録免許税が発生します。
登記手続きは自分でもできますが、専門的な知識が必要になります。そのため、一般的には司法書士などの専門家に依頼することが多いようです。その際、依頼先には報酬を支払います。
その他にも、外構費用や水道の負担金、住宅ローンの手数料や保証料など様々な費用が必要となる場合が多いので、建築会社にしっかりと説明してもらう様にしましょう。
2.費用ごとにみる注文住宅の特徴
注文住宅は、かける費用によって実現できることが変わってきます。ここでは1,000万円台・2,000万円台・3,000万円台の3つの区分ごとの家の特徴を解説します。
2.1.地域によって費用相場は変動する
先述の通り、地域によって地価が異なるため、費用相場が変動することに注意しましょう。下記の表 は、2020年度のフラット35(住宅ローン)利用者における、注文住宅の費用と住宅面積、敷地面積をまとめたものです。(住宅金融支援機構:公表資料)
地域 | 建設費 | 住宅面積㎡ | 敷地面積(㎡) |
全国平均 | 3,532.5万円 | 124.4 | 315.6 |
首都圏 | 3,808.5万円 | 123.9 | 227.1 |
近畿圏 | 3,740.2万円 | 127.4 | 234.6 |
東海圏 | 3,604.3万円 | 126.5 | 299.1 |
その他の地域 | 3,354.6万円 | 123.4 | 374,3 |
建設費の相場(全国平均)は約3,500万円で、首都圏との間で250万円程の差があることがわかります。
住宅面積に関して、地域ごとに差は見られませんが、敷地面積には大きな差が見られます。車移動の多い北海道では、駐車スペースを広く取るために敷地面積の平均が440.4㎡と東京の約2倍になっています。
また、47都道府県別で見ると、東京都だけが建築費4,000万円を超え、他の地域は2,000万円台、3,000万円台という相場になっています。
2.2. 1,000万円台でシンプルな住宅
1,000万円台は若年層や、コストの低さを重視したい、ローンの借入れを抑えたいという方におすすめです。
コストを抑えているため、家の形状や内装がシンプルであることが多く、浴室乾燥機、床暖房といった機能性の高いものは付けられないと思っておきましょう。
2.2. 2,000万円台で少し設備や資材をグレードアップ
2,000万円台からは、設備、資材の選択肢が広がります。
1,000万円台では実現できなかったことを導入できるため、2,000万円台に手が届くまでお金を貯めるか、借入れを増やすという選択です。
全て盛り込んでしまうと予算オーバーになる可能性がありますが、内装を安くして最新式のキッチンやバスルームを導入する、窓の数を増やすといったことが可能です。フランチャイズ形式の建築会社では、前もって優先順位を付けて相談すると実現可能なラインを提案してもらえることがあるようです。
2.3. 3,000万円台でこだわりや高級感を演出
3,000万円台であれば、自分のこだわりたいポイントを実現した住宅を建てられる様になります。
優れた温熱環境や耐震性など高い機能性を持つ家を提供している建築会社が多い様です。
ご自身と家族の理想をまとめ、何を優先すべきかじっくり考えましょう。
3.相場よりもお得に家を建てるポイント
ここでは、相場よりも安く家を建てるポイントを解説します。コストカットしたい方は、ぜひ参考にしてください。
3.1.建物の形状をシンプルなデザインにする
建物の形状と部屋の間取りをシンプルにすると、コストを削減できます。
外形に凹凸や室内の間仕切壁や建具が多いと使用する材料と作業工程が増えてしまい、コストは高くなりがちです。また、2階にキッチンや浴室などの水回りを配置する場合、給排水の配管が長くなるので、1階部分にまとめて配置する方が費用を抑えらます。
3.2 1階建てではなく2階建てにする
同じ床面積で考えた場合、1階建てより2階建ての方がコストカットできます。平屋建ての方が土台(木工事)、屋根、基礎の比率が大きくなるため、その分のコストがかかります。
また、同じ面積の3階建てですが、上階の重量を支えるために柱や梁を太くしなければならなかったり、必要とする接合金物の量も増えるので、やはりコストがかかります。
3.3.設備のグレードを考える
部屋の内装でコストを削減したい場合は、これからの暮らしに必要な設備と、不要な設備を分けていき、優先度を付けましょう。たとえば、システムキッチンの価格はピンキリで100万円を切るものから300万円以上するもの まで幅広く存在します。
ディスポーザー付きのものや、食洗器が付いているものなど、さまざまなタイプがありますが最低限の機能だけで良い場合は、かなりコストカットできるので検討してみましょう。
4.断熱性に関わる窓や断熱材は妥協しない
なるべくコストを抑えて実現したい家づくりですが、最近では高い断熱性能の住宅を建てることが多くなっています。これは、冷暖房機器などの使用で建物から排出される二酸化炭素を削減したり、真夏や真冬でも少ない光熱費で快適に過ごせる様な室内を実現します。従って、窓ガラスの性能や断熱材の性能などは、一定の水準以上を保つ様にすることを強くお勧めします。断熱性能が低いと、冷暖房費が高くなるといったリスクの他、壁内結露によって建物の劣化が早まり、ローンの途中で大規模な修繕や建て替える必要が出ることも十分に考えられます。
5.まとめ
注文住宅のコストは、何を重視、優先するかによって大きく変動します。ただし、ある程度の間取りの家でコストのみを優先すると、どうしても建物の性能が犠牲になりがちです。建物の性能とは主に、気密断熱性と耐震性及び耐久性ですが、気密断熱性は二酸化炭素の排出量に関わり、地球の環境への負担のみならず日常の暮らしの光熱費の高騰や壁内結露の発生による建物の不朽などのリスクを削減するのに重要な性能ですし、耐震性は言うまでもありません。また、コストを極端に抑えれば短期間にメンテナンスややり直しなどが必要になる材料が使われることで、結局は建築費が高くつくということにもなりかねません。
大切な家づくりを、せっかく注文住宅で実現するのであれば、目先のコストではなく長期の費用と耐久性、そして日々の暮らしを豊かにする快適性などもしっかりと視野に入れた判断をしていただくことがとても大切です。
自分に合った家づくりのご相談は、各スタジオ、モデルハウスへお越しください。
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