もし家を建てるなら
すっかり陽気の良い季節ですが、コバエというやっかいな虫の季節もそろそろやってきますね。いつのまにか室内に発生し、駆除しても次から次へと出てくるコバエとの戦いは、これからの季節のやっかい事のひとつですね。
コバエといっても実は主なものだけでも何種類かあり、その種類によって駆除方法も異なる様です。
今回は、コバエの基本的な知識となるべく化学成分が室内に拡散しないで済む駆除方法を調査しましたので、そのご報告をいたします。
1.コバエとは
しょっぱなからちゃぶ台をひっくり返す様ですが、実はコバエという名前の虫はいないそうです。いわゆる俗称であって、私たちが日常的にコバエと呼んでいるのは、主にショウジョウバエ、ノミバエ、キノコバエ、チョウバエの4種類です。
ショウジョウバエは、理科の授業でも出てくるのでご存じの方も多いと思いますが、これだけでも世界でなんと2600種類以上!もいるそうです。また、あまり聞いたことがない他の3種ですが、実際の姿を見れば「ああ、これか。」と見たことのあるコバエばかりです。
2.室内に発生するコバエの種類
それでは、それぞれのコバエの基本的な知識を知りましょう。と言っても、お勉強が目的ではないので、発生源や発生場所を知って、適切な対処をするための知識です。
(画像出典:アース製薬様「害虫駆除なんでも事典」)
2.1.ショウジョウバエ
色は黄赤色。欧米では「フルーツフライ」と呼ばれ、その名の通りフルーツが大好きで、熟した果物を始め、野菜や調味料、アルコールなど強めの臭いを発生するものを好みます。発生場所も、それらの余りものを捨てるキッチンのゴミ箱や三角コーナーなどになります。
2.2.ノミバエ
色は黒褐色。主な発生源は、腐敗した動植物質や動物のフンです。よく食卓の上を素早く飛び回っています。人の食べ物だけでなく生ごみも食べるので、エサになりそうなものを放置しないことが肝心です。
2.3.キノコバエ
色は灰黒色。観葉植物やその土に生えるキノコ等の真菌類に発生します。元々、それらの植物の土中にコバエの卵があることで発生する様です。キノコバエは、上記2種類とは生態が異なるので、食べ物の処理などをしっかりとし衛生状態を保っている室内でも発生します。
2.4チョウバエ
色は黒色。湿った場所のヘドロなどを食べます。家の中では、お風呂や台所の排水まわり、トイレなどです。
3.駆除方法
コバエのおおまかな生態が分かったところで、駆除方法です。食物を好む種類とそれ以外の種類に分けて駆除方法が異なります。
3.1.ショウジョウバエ、ノミバエの駆除
食物を好むこれらのコバエには、その習性を利用した駆除剤「めんつゆトラップ」を自家製で用意できます。使う材料も日用品だけで済むので、ぜひお試しください。
【自家製コバエ駆除材「めんつゆトラップ」の作り方】
①用意するもの
・各材料を混合する浅めの容器(捨ててもよい平皿など)
・水
・めんつゆ
・台所用洗剤(表面活性剤入りのもの)
②作り方
(1)容器に、水1:めんつゆ1 の割合で混ぜる。
(2)上記に、台所用洗剤を数滴垂らす。
③使い方
・コバエの発生場所に2~3日間放置しておくだけ。
めんつゆトラップは、めんつゆのニオイに誘われてやって来たコバエをその液体に溺れさせることで捕獲するものです。ここで注意が必要なのは、コバエが溺れるために、腹部にある呼吸器官を覆う油膜を分解することです。この油膜があると、コバエはトラップの液体に浮かぶことができ、おぼれることがありません。従って、油膜を分解するには台所用洗剤に表面活性剤が入ったものをご使用ください。
調査では、めんつゆトラップはノミバエには効果がないという情報もありました。真偽は不明ですが、その場合は、ノミバエが好むお酢で作ると良いでしょう。お酢はショウジョウバエにも効きます。ただし、めんつゆよりもニオイが気になるかも知れません。また、長期間放置したままだとトラップの液体自体に産卵されるリスクもあるため、2、3日ごとに取り換えると良いでしょう。
【注意!】
トラップを廃棄する際の注意点ですが、排水口に流さず口をしっかり閉じられるものに移し替えて生ゴミとして捨ててください。これは、捕獲したコバエが卵を持っていた場合に流した排水溝で卵が孵ってしまい、更なるコバエの発生につながる恐れがあるからです。
3.2.キノコバエの駆除
2種類の方法をご紹介します。
一つ目は、木酢液(もくさくえき)又は竹酢液(ちくさくえき)を水で希釈したものを吹きかける方法です。
木酢液(竹酢液)は、木(竹)を焼いて木炭(竹炭)を作る際、煙突を冷やす過程で発生する水分を原料にしたものです。凝縮された木や竹の豊富な成分と強めのニオイが害虫駆除に効果があると言われ、農業でも用いられます。ただし、pH2.5前後と酸性が強めなので、必ず希釈してから使います。希釈率は情報によって200~500倍とかなりバラツキがあったため、最初は500倍程度の希釈から始めて効果を確かめながら効果的な希釈率を探ると良いでしょう。
木酢液(竹酢液)は、ホームセンターやネット販売で容易に購入できます。価格も500~1Lあたり1000円前後でたくさんの種類が販売されています。
二つ目は、市販の製品を使ったものです。
植物に発生するキノコバエは、その土の上を這う習性があることと緑色を好む習性を利用したものです。植物の育つ土に差して使い、誘因性のある緑色でおびき寄せたコバエを粘着成分で捕獲するものです。こちらは、スプレー式の様な成分拡散型ではなく、見た目にもあまり目立たないのでお勧めしてみました。
3.3.チョウバエの駆除
最後に残るチョウバエは、化学薬品の拡散によらない方法では難しいと言うのが今回の調査の結論です。ご期待に沿えず申し訳ありません。
浴室に発生したチョウバエであれば、シャワーで流すことも簡単で効果的ですが、トイレや洗面所ではそうはいかず、効果的と思われる情報を得られませんでした。
従って、チョウバエには発生前の対策が重要となります。ヌメリなどのある不衛生な場所を好むことから、とにかく水回りをよく清掃し衛生を保ちながら、菌の繁殖を抑える様換気などで空気をよどませないことに尽きます。
4.コバエの発生を予防する
今回は、発生したコバエの駆除についてのお話しでしたが、そもそも発生しない様にしておけば、駆除する煩わしさやストレスからも解放されます。その為には、食べ物やその腐敗物を好むものには、そもそも食べ物を室内に出しっ放しにしないことや腐ったものはすぐに廃棄することが大切ですし、観葉植物に発生するものに対しては、先の木酢液の忌避効果を利用したり有機肥料ではなく化成肥料を使用したりすることによる産卵の抑制が期待できます。また、チョウバエの様な不衛生な箇所を好むものには、常に衛生的に保つということです。
とは言っても、発生させないための配慮や清掃などに気を使い過ぎて疲れてしまう様では、これも健全ではありません。相手は生き物である以上、少しでも条件が揃えばすぐに発生するものだと理解した上で、日常のお手入れを習慣化し、それでもコバエが出たときには、上記の様な方法で駆除するという生活態度が、健全な暮らし方だと思います。
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