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火災保険はかしこく加入を! 選び方と入り方

火災保険は、新しくマイホームを取得する方のほとんどが加入します。特に住宅ローンを組む場合はほぼ必須となります。大きなお金をかけ、家族の思いを込めて建てる家ですから、火災の様な万一の事態にはしっかりと備えたいところです。

一方、安心を得るはずの保険料支払いが生活を苦しめてしまっては元も子もありません。住宅購入のときには金銭感覚がマヒしがちですから、深く考えないまま盛りだくさんのプランに加入してしまっては後が大変です。

今回は、火災保険の仕組みと選び方、入り方についてご紹介します。ご自身にとっての補償の要否をしっかり見極め、かしこく加入しましょう。

火災保険はかしこく加入を! 選び方と入り方

 

 

 

1.火災保険とは

まず、火災保険の仕組みをざっくりとご紹介します。

 

■補償対象は「建物」と「家財」に大別

火災保険の補償対象は、大きく「建物」と「家財」とに分けられます。それぞれの内容は次の通りです。

 

・建物補償

住宅の建物本体に加え、付属設備や屋外設備といった建物全般が対象。車庫や物置、門や塀なども補償の対象に含まれます。

 

・家財補償

家の中にあるあらゆるモノが対象。家具、家電製品、衣類、食器、子どもの学校教材、趣味のグッズなどが含まれます。ただし、1個(1組)が30万円を超えるモノは「明記物件」として契約時に申告が必要。貴金属、宝石、骨董などを所有している場合は要注意です。

建物と家財

 

■住宅ローンの借り入れには火災保険加入が条件

火災保険の加入は、法律上、義務化されているわけではありません。ただし、住宅ローンを契約してマイホームを建てる場合、火災保険の加入は必須だと考えた方がいいでしょう。火災保険への加入が、融資の条件になっていることがほとんどです。

 

 

2.補償内容の選び方

ここからは、火災保険の加入を前提として、その補償内容の選び方を解説していきます。順を追ってみていきましょう。

 

■建物補償は「新価」か「時価」か

建物部分の補償金額は物件の価格が基準となって決まりますが、評価の仕方には次の二通りがあります。

 

・新価

新築時にかかった費用と同額が補償されます。例えば、2500万円で建てた家が10年後に火災にあった場合でも、支払われる保険金額は2500万円となります。

 

・時価

新築時にかかった費用から、経年による劣化分の価値を差し引いた金額が補償されます。例えば、2500万円で建てた家が10年後に火災にあった場合、保険金額は2500万円から10年分の価値を差し引いた金額だけが支払われます。

 

建物部分の補償は、新価での契約を勧められることがほとんどです。時価で契約して全焼してしまった場合、同じ規模の家を再建するのに大きな自己負担が発生してしまうことが考えられるためです。

保険料負担は時価の方が軽くなりますが、生活基盤となる家ですから、ここはしっかりとした新価の補償を付けておくことをオススメします。

火災保険の新価と時価

 

 

■家財補償を付けるか

住宅ローンを借り入れて新築する場合でも、家財補償に加入することまでは求められていません。ですので、まずはご自身にとって家財補償が必要かどうかを判断しましょう。

加入する場合は、補償額を決めます。その際、目安となるのが簡易評価表です。
簡易評価表とは、世帯主の年齢と家族構成によって算出される評価額を表したものです。例えば、35歳で家族4人(大人2人、子ども2人)の場合、評価額は1200万円程度になります。評価額は、保険会社によって多少の違いがあります。

補償額は、この評価額によって決める必要はありません。仮に評価額が1200万円であっても、「契約者告知」として自由に補償額を決めることが可能です。ご自身で決める場合、まずは家の中をぐるりと見渡してみましょう。テレビ10万円、冷蔵庫20万円、洗濯機20万円、パソコン10万円、ダイニングテーブルセット5万円、食器5万円、洋服10万円、勉強道具10万円…などというように積み上げていきます。

必要かつ十分な補償額が評価額より低い場合、保険料をおさえられる可能性があります。

家財補償では、保険金の設定額をいくら大きくしても、実際に支払われる金額は損害額の分だけになるという点に注意しましょう。必要以上に高い保険金額にしても、保険料のムダになってしまいます。

火災保険に含む家財

 

■水災補償を付けるか

火災保険には、水害に備える水災補償を付けることができます。水災補償では、台風や集中豪雨による浸水、高潮、土砂崩れといった災害にそなえることができます。

近年はゲリラ豪雨が全国各地で発生しており、水害にも十分な備えをしておきたいと考える方も多いのではないかと思います。一方で、地域差はありますが、水災補償を付けると火災保険料が1. 5倍ほどにまで膨らむケースがあります。

各自治体のハザードマップを確認したり、地域に詳しい建築会社・不動産業者に聞いたりするなど、水災リスクを十分に検討したうえで加入するようにしましょう。

水災保険

 

■地震保険を付けるか

大規模な震災にそなえる地震保険は、火災保険とセットでしか加入できません。日本全国どの地域でも震災のリスクを抱えているといわれており、加入する人は「備えあれば患いなし」という考え方が多いようです。

また、地震をきっかけとした火災や土砂崩れによる被害は、火災保険や水災補償ではカバーされません。延焼のしやすい住宅密集地や、がけ崩れが起きやすい山際など、とくにリスクが高いと考えられる土地の場合には、加入を検討することをオススメします。

地震保険

 

 

地震保険の補償内容については、火災保険の補償額の半分が上限となることに注意が必要です。

大きな地震の際には、広いエリアで同時に家屋の損壊が起きます。保険金支払いが多額になりかねないため、地震保険は保険会社と国が共同で運営する制度となっています。それでも、損壊したすべての建物・家財を新価で補償することができない可能性があるため、火災保険の半額までしか補償されない仕組みとなっています。また、上記の理由から、地震保険の内容は契約する保険会社によって違いはありません

地震保険料については、建物の耐震性能に応じて割引されることになっています。

 

 

3.火災保険の入り方

ここからは、火災保険の入り方について解説します。

 

■どこを窓口に申し込むか

補償内容に比べて軽視されがちですが、どこを窓口に保険加入するかということも大事なポイントになります。

おもな選択肢は、次の三つです。

①保険会社や代理店 ②銀行 ③建築会社や不動産会社

 

①は、普段から付き合いのある保険屋さんがいると相談しやすいでしょう。住宅ローン契約でやりとりする②の銀行や、新築・土地探しでやりとりする③の建築会社・不動産会社も、保険販売を手掛けていることがあります。

 

■プロの話を聞くのがオススメ

上記の選択肢のうち、①の保険会社・代理店から加入するのがオススメです。銀行や建築会社・不動産会社は保険の専門ではないため、保険会社に比べて説明の的確さが劣ることが考えられるためです。

火災保険はかつて、35年一括での契約が可能でした。2022年春現在の最長契約期間は10年に短縮されています。保険を販売する側にとっては、契約のボリュームが小さくなったことで得られる手数料も目減りしました。つまり、保険販売のメリットが下がり、本業ではない銀行や建築会社・不動産会社にとっては注力しづらい状況になったのです。

大切な生活基盤を守るための火災保険ですから、その内容やオプション、免責など、専門的で細かいところまでしっかりと説明してくれる窓口を選ぶようにしましょう。

火災保険の説明

 

4.火災保険の改定:最長10年→5年の契約期間へ

■10年契約は廃止へ

火災保険の最長契約期間は現在10年ですが、2022年秋以降、最長期間は5年へと短縮される方向になっています。大手損害保険会社では「損害保険ジャパン」が、2022年10月1日が始期となる契約から最長5年に切り替えることを公表しています。その他の保険会社でも、同様の時期に対応が切り替わるものとみられます。

10年契約廃止の背景には、全国各地で起きる自然災害が増え、被害が甚大化していることがあります。保険会社は、これから支払うことになる保険金を予測し、それに基づいて保険料を決めていますが、近年は先々の自然災害のリスク予測が困難になっています。より見通しが立ちやすい5年契約にすることで、保険会社の収支を安定させ、経営を持続的にする目的があります。

 

■保険料は負担増の可能性

10年契約の廃止で、保険契約をする人にとっては負担増となりそうです。その理由は、以下の二つです。

 

・割引効果の高い長期契約が選択できなくなる

火災保険は、長期一括払いだと割引が効く商品です。同じ10年間の契約でも、1回の10年契約の方が、2回の5年契約よりも保険料が安くなっていました。10年契約が廃止されると、割引効果の高かった長期契約を選択できなくなるということになります。

 

・保険料改定の影響を受けやすくなる

近年、自然災害の増加や被害の甚大化により、保険料の値上げ改定が続いています。契約者が改定の影響を受けるのは、契約更新のタイミングです。そのため、契約期間の長い10年契約よりも、期間の短い5年契約の方が保険料改定の影響を受けやすいのです

今後も、保険料改定=値上げとなる可能性が高く、契約者にとってはそのたびに負担が増えるということになりそうです。

 

5.アイジースタイルハウスで建築される場合の火災保険

アイジースタイルハウスで建築される場合、加入する保険会社の指定はありませんが、信頼のおける保険会社をご紹介いたします。

 

ぜひ、お気軽にご相談ください。

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