もし家を建てるなら
注文住宅を建てるまでの流れが分からず、マイホームを建てたい!……とは思っても何から手を付ければ良いか困ってしまう方が多いのではないかと思います。家づくりは、多くの方にとって人生の中で最も大きな決断ごとだと思いますが、1回あるかないかのことなのでギモンがいっぱいというのも自然なことです。
今回は、注文住宅を建てるまでの流れを前編・後編に分けて紹介していきます。前編は、まずはマイホームの「理想」を描いていくことから始めようというお話しです。
1.暮らしと建物のイメージを描く
家づくりの検討スタートから完成するまでの期間は、土地が決まっている場合でも、トータルで1年~1年数カ月ほどかかることが一般的です。「建築会社の決定」に2~3ヶ月、「建築会社との打ち合わせ、契約」に3ヶ月、「契約から竣工・引き渡し」に5~8カ月ほどがかかります。特に、契約から竣工・引き渡しまでの期間は、建築会社によって数ヶ月の差が出ることもあります。転勤や入学・進学など、家がほしいタイミングが決まっている方は、慌てて誤った決断をしない様早めにとりかかることをオススメします。
家づくりの検討では、まずは、理想の暮らしや建物のイメージを描いていくことからスタートします。こだわりポイントをピックアップしておくと、その後の建築会社とのやりとりもスムーズに進めることができるので、次のポイントをおさえながらイメージを膨らませていきましょう。
1.1. ポイント①:デザイン・間取り
住みたい家のデザインや間取りのイメージを描いていきます。
デザインやスタイルは、住む人の好みによってさまざまな種類があります。「和モダンな家にしたい」「シンプルな家がいい」「ほかにはない個性あふれる見た目にしよう」――。そんな理想のイメージを膨らませていきましょう。新しい家が建ち並ぶ地域を散歩してみたり、住宅の写真集やインターネット・SNSを見たりすると参考になります。
IG STYLE HOUSEの施工事例も参考になりますヨ。
(↓画像をクリック)
間取りは、日々の暮らしを快適にするうえで大切な要素です。毎日の家事にかかわる動線や子ども部屋の配置、寝室とトイレの位置関係など、将来の暮らしまでイメージしながら固めていくとよいでしょう。
1.2. ポイント②:住みたいエリア・周辺環境
生活拠点となる家の立地条件は、日々の暮らしに大きくかかわります。「周辺施設が充実した中心市街地」がよいか、「のびのび子育てができる郊外」がよいかなど、次の項目も参考にしながらエリアを絞り込んでいきましょう。
- 最寄り駅・バス停までのアクセス
- 通勤や通学にかかる時間
- 学校や塾など教育関連施設の環境や評判
- 病院や福祉施設の利便性
- スーパーや商店街など買い物環境
- エリアの価格相場
1.3. ポイント③:住宅性能・素材
住宅に求める性能や使用する素材も、家づくりを進めるうえで大切な要素となります。住むエリアの気温や湿度、海・山・川の有無といった自然環境の面からも、家のつくりや素材を検討してみましょう。また、今後大きな地震の発生が予想されていたり、他の自然災害の可能性が高かったりという地域もありますので、住宅の強さをどこまで求めるかについても考えておくとよいでしょう。
2.建築会社を絞り込む
理想の暮らしがおおまかに描けたら、次は建築会社を絞り込んでいきます。のちのちプランを比較したり、相見積もりをとったりもできますから、この時点で1社に決める必要まではありません。ハウスメーカーや工務店といった業態の違いを理解しつつ、イメージに合った家づくりができそうな建築会社を選んでいきましょう。
2.1. ハウスメーカー、工務店、設計事務所の違い
・ハウスメーカー
全国規模で住宅建築を手掛けている大手を指します。ブランド力に裏打ちされた安心感と、品質の安定感が魅力です。
・工務店
全国展開するハウスメーカーと異なり、おもに特定のエリアで地域に密着した住宅建築を手掛けている会社を指します。地域の環境に詳しく、細かな要望にも柔軟に対応してくれることが多いといえます。
・設計事務所(建築家)
デザイン性に優れ、自由度の高い設計ができます。個性やオリジナリティを求める方にとっては活用したい会社です。
業態によってこうした特徴の違いはありますが、各社によって対応範囲の幅はそれぞれ異なります。実際に完成した物件の内覧会や展示場にも足をのばしたうえで、自分に合った会社を選んでいきましょう。
3. 土地探しと予算決定はあとでOK
建築会社のホームページでは、この段階で土地探しや予算決めを促しているケースがありますが、これはオススメできません。なぜなら、土地も予算も自分たちだけで決めるには、あまりに情報と経験が少ないからです。まずは、実際に家づくりをお願いする建築会社を絞り込み、会社側からサポートをもらいつつ決めていくのがいいでしょう。
建築会社の中には、家を建てる土地が決まっている施主との出会いを求める傾向が強い会社もあります。土地が決まっていれば、会社側にとっても時間をかけずに契約・工事へと話を進めていけるからです。建築会社にとって比較的労力をかけずに済むという理由から、先に土地を探しておくという順番を勧めているようです。
4. 資料集め・モデルハウス見学の注意点
建築会社の選定で失敗しがちなのが、資料の集め過ぎです。数社の資料だけで膨大な紙と情報の量となり、「何がよいのか判断できなくなってしまった」という話はよくあります。とにかくありったけの会社を網羅するということよりも、ホームページなどで気になった会社があれば足を運び、話を聞く方がよいでしょう。その方が、確実で早い判断ができます。
建築会社が実際に建てた家を見て回ることは、物件の良し悪しを体感するうえで有益な方法ですが、モデルハウスの見学では注意が必要です。実はモデルハウスは、非現実的な広さや、通常より豪華な装備などをそなえているケースが多くあるのです。他社に見劣りしないように装ったり、来場者の建築意欲を刺激したりするためです。モデルハウスを訪れる際には、こうした注意点をしっかりとおさえながら見学しましょう。
【つづきは後編へ】
前編となる今回の記事は以上です。後編では、資金計画や土地探し、住宅ローン申請など、一見するとややこしそうな手続きを丁寧に解説していきます。ぜひご覧ください。
#注文住宅 #流れ