もし家を建てるなら
昨今、「健康住宅」という言葉を建築雑誌やお客様から見聞きする様になりました。
健康住宅を、年中快適で有害物質の心配がなく、長く住み続けられる家であることと考える当社では、例えば、内装だけでなく下地や更にその裏にある構造材自体にも配慮し、温湿度を快適に保ち結露が発生しにくい材料や工法を採用しています。
ただ、実際には、各社ごとにその意味が異なる様なので、今回は、健康住宅についての基本的な考えをまとめました。ぜひ、お読みいただき、自分なりの健康住宅を考えるきっかけにしてみてください。
1.健康住宅の定義
当社では、我が家を建築する上で健康に関わる優先順位を、まず住まい手が病気にならず身体的な健康を維持できる事が大前提であると考え
① ホルムアルデヒドなどの有害物質への対策が取られていること。(→ シックハウス対策をとっているか?)
② 健康寿命が伸ばせる家づくりであること。(→ 一年を通じ快適に過ごせるか?)
と定義した上で健康住宅について述べていきます。
建築業界においても健康住宅についての考えが一様ではない様です。
ある住宅ポータルサイトの説明では
健康住宅とは、有害とされる化学物質や薬剤の使用を極力避けるなど、シックハウス症候群対策が取られ、健康に住めるようにさまざまな工夫が施されている住宅のことです。(LIFULL HOME’S 不動産用語集より)
とあり、別の生活情報サイトでは
健康住宅は次の7つの項目に加え経済合理主義や市場経済競争では解決できない大切な文化性をもっていることです。
1.自然災害から家族を守る性能を持っていること
2.病気をもたらさない住まいであること
3.住まいの中で事故がおきない住まいであること
4.不快やストレスを感じさせない、いやす性能を持っていること
5.不安、心配を与えない住まいであること
6.経済的不安を与えないこと
7.地域環境に負担を与えないこと
(All About>住宅・不動産>一戸建て>注文住宅>家づくりのイメージづくり・アイデア>健康住宅の基本をおさえる より)
とあるなど、身体に害を及ぼす物質の対策を指すものもあれば、防災、経済、環境までも含むと解釈しているものもあることからも伺えます。
2.シックハウス対策を取っているか?
建築計画にホルムアルデヒドなどの有害物質への対策を取ることをシックハウス対策と言います。健康住宅を実現する上で最初に着手すべきポイントです。
シックハウス症候群となる有害物質は、アレルギーの種類の数だけあると考えます。だから、建材から揮発する化学物質だけとは限りません。空気中に浮遊する塵、ダニの糞や死骸、カビ、芳香剤などの日用品も原因となります。また、電磁波も住宅から発生する原因になるとの考えもあります。
(詳しくは → シックハウス診断士協会HP)
シックハウス対策として有効な対策は、次の通りです。
【対 象】有害化学物質
【原 因】有害化学物質の室内への揮発
【対 策】無害な建材の選定
【対 象】ダニ、カビなど
【原 因】発生した水分を栄養にした繁殖
【対 策】建物の断熱化による結露の防止
【対 象】電磁波
【原 因】使用電気量の増加に伴う、屋内配線の増加
【対 策】アース付コンセントの採用・オールアース工事
シックハウスについては、こちらの記事もご覧ください。
・シックハウス症候群とは
・シックハウス対策の基本
3.一年を通じ快適に過ごせるか?
健康寿命と言う考えをご存知でしょうか。
健康寿命とは、人の寿命において「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」(厚生労働省HPより)とあり、健康に過ごす人生の長さと言うことです。寝たきりで長生きをしても、本人も介護者も大変な思いをする可能性が高いですね。ですので、平均寿命の長い我が国ではこの健康寿命が非常に重要な考えとなります。
人生を終えるその瞬間まで健康に過ごせれば幸せですね。その為には快適な環境で過ごす必要があります。つまり、健康住宅は健康寿命と密接な関係があると言うことです。特に冬を暖かく過ごせるかどうかは大変重要です。
その為には、住宅の断熱性能を高めることが非常に効果的です。
(断熱性能に関してはこちら → 木造住宅における断熱性能とは)
4.公的な取組み
1.国の取組み
過去、建設省住宅局が「健康住宅研究会」と言う会を設立していました。現在は国土交通省が「スマートウェルネス住宅等推進モデル事業」です。健康と言う言葉を包括的に捉えた住宅施策です。
詳しくは
2.関連する公益法人
・一般社団法人 健康・省エネ住宅を推進する国民会議
※省エネが重点のサイトは除きました。
6.最後に
健康住宅の考え方と実現方法、国や公益法人による取り組み状況をお伝えしました。シックハウス対策や快適な室内環境の実現には、様々な方法があります。
以下の記事も参考にして頂けますので、どうぞご覧くださいね。