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Low-Eガラスとは? 遮熱と断熱の使い分け方

建物の断熱化を進める上で、建物の熱の出入りの大半を占める窓の選択はとても重要です。

窓のガラスを2重にし、その間に空気層を挟んだペアガラスは優れた断熱性能を発揮しますが、更に、Low-E(ローイー)と言う膜をガラスに施す事でその性能をより向上する事ができます。

今回は、そのLow-Eと呼ばれるガラスからの太陽熱の放射量を低減する製品についてお話しします。

Low-Eガラスは、その設置する位置による放射熱の低減効果の違いから「遮熱タイプ」と「断熱タイプ」に分けられ、それらは、日射量をどの様に扱うかによって使い分けると効果的です。(本記事は、2019年2月14日の内容を修正し再公開したものです。)

Low-Eガラスとは? 遮熱と断熱の使い分け方

 

1.Low-Eガラスとは

Low-Eとは、Low Emissivity(ロー・エミシビティー)の略で「低放射」という意味で、太陽の放射熱を低減する働きを強化したガラスです。

建物を断熱化する上では、放射、伝導、対流というそれぞれの熱の伝わり方に合わせた対策が必要で、このLow-Eガラスは太陽の「放射熱」(※1)への対策になります。

通常のガラス面に薄い金属の膜をコーティングしたもので、遮熱または断熱の効果を高めますが防犯効果はありません。

※1 放射熱とは、熱源から発せられた熱が何かを媒介にせず直接対象物を温める働きです。例えば、太陽の陽射しやガスコンロの火など、熱源から離れていても感じる熱が放射熱です。

 

弊社アイジースタイルハウスもこのLow-Eペアガラスを採用した樹脂サッシが標準仕様です。

 

 

2.Low-Eガラスの仕組み

Low-Eガラスは、複層ガラスに挟まれた中空層のどちらか一方のガラス面をコーティングします。

屋外側のガラスの中空層側にコーティングした場合を「遮熱タイプ」と呼びます。

太陽の放射熱(=日射熱)がガラスにコーティングした金属膜で一気に低減されます。透過できた日射熱の勢いは弱められているため、次の中空層でも更に日射熱を弱めます。この為、室内に侵入する日射熱の量はかなり低減されます。
Low-Eガラス遮熱タイプのコーティング位置
(画像:ガラス選びがカギ!快適な窓辺のつくり方(YKK APのHP)より)

 

室内側のガラスの中空層側にコーティングした場合「断熱タイプと呼びます。

太陽の放射熱が透明ガラス1枚を隔てただけの中空層にほぼそのまま到達します。中空層は断熱効果に優れてはいますが日射熱の遮熱効果には遮熱タイプよりは劣るため、日射熱はほぼそのまま金属膜に届くことになります。ここで金属膜が初めて日射熱を弱めますが、中空層の室外側での低減が無い分日射熱は室内に届きやすくなります。しかし、断熱タイプの金属膜は、室内側の放射熱(※2)が屋外に漏れるのを低減するため室内の温度低下を防ぐこととなり、建物の断熱効果を高めます。
Low-Eガラス断熱タイプのコーティング位置
(画像:ガラス選びがカギ!快適な窓辺のつくり方(YKK APのHP)より)

※2 高断熱断熱室内で温められた空気の熱は、天井、壁、床、家具などにも伝わり、それら部位はその熱をまた室内に放射します。

 

遮熱と断熱については、コチラの記事もご覧ください。

遮熱と断熱の違い

 

3.Low-Eガラスの使い分け方

以上の様な特性から、Low-Eガラスは、室内へ侵入する日射熱をコントロールします。つまり、夏は日射熱の侵入を低減する「遮熱タイプ」、冬は日射熱を室内に取り込みつつ室内の熱の漏れも抑止する「断熱タイプ」を選択することが効果的な使い方と言えます。

ただし、金属膜のコーティング面はどちらか一方だけ(※一部の製品を除く)なので、同じ窓での使い分けはできません。

そこで、実際には、建物の東西南北に位置する窓から見た太陽の位置や方向、日射量を考慮しながら選択することになります。

例えば、リビングなどの南側の窓なら、夏の陽射しは避けつつ冬は少しでも取り込みたいでしょう。この場合、「断熱タイプ」にして冬の日射取得を優先します。ここで大切なのは、夏の日射取得量の低減ですが、これは、太陽の角度を利用して庇で上手にカットするなど、窓とは別の手で対応することです。
日射取得量を低減したい窓には遮熱タイプを選択する
(画像:ガラス選びがカギ!快適な窓辺のつくり方(YKK APのHP)より)

また、強烈な陽射しで一気に温度を上げて室内を不快にする西側(または東側)の窓には、日射熱をカットする「遮熱タイプ」を設置します。ただし、西日の威力はかなり強力なので、ブラインドなどでの遮蔽もあった方が効果的です。実際、ブラインドだけやLow-Eガラスだけの場合よりも、この合わせ技の相乗効果は効き目抜群です。
日射取得量を低減したい窓には遮熱タイプを選択する
(画像:ガラス選びがカギ!快適な窓辺のつくり方(YKK APのHP)より)

 

ここで、一点注意が必要です。実は、Low-Eガラスにしても、ガラスを支える枠がアルミではほとんど意味がありませんので、ご注意ください。と言うのも、建物の熱の出入りの大半を占める「窓」の温熱性能は、ガラスの性能と共に枠の材質にも大きな影響を受けるからです。

素材としてのアルミは、樹脂よりも約1000倍も熱を伝えやすい材質だからです。

近年、日本の樹脂サッシは大幅な進化を遂げており、アイジースタイルハウスのサッシもLow-Eペアガラスの樹脂サッシですが、実際の効果は、見学会やサッシメーカーのショールームなどで体感される事が一番納得できると思います。

 

ちなみに、アイジースタイルハウスの樹脂サッシは、Low-Eガラスだけでなく、中空層を空気ではなくより断熱性を高めるアルゴンガスを封入しています

 

◇モデルハウスへのご来場はコチラから。
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4.体感してこそのLow-Eガラス

Low-Eガラスの遮熱タイプ、断熱タイプともに使用箇所を上手く使い分けると、より室内の温熱環境の向上に貢献しますが、果たして本当に「それほどの効果はあるのか?」と言う疑問は残ると思います。

計算ではなく、計測値としてであれば温度を検知するサーモカメラで見ると、その効果は一目瞭然です。
樹脂Low-E複層ガラスとアルミ単板ガラスの性能差
(画像:YKK AP HP「Low-E複層ガラス(遮熱タイプ)」より)

Low-Eガラスによる冷暖房費については、「年間〇〇円の削減効果から〇〇年で相殺できる。」の様な試算もありますが、実際、家に住む方にとっては、夏涼しく冬暖かく過ごせるのか?と言う体感の方が重要でしょう。

 

そんな方にも気軽に体感できるところが東海エリアにもあります。

サッシメーカーのYKK APさんが名古屋市内に出店しているショールームで、同じ温度でもガラス種類によって熱の伝わり方が違うことを確かめられます。

各種ガラスの違いを比較するショールーム

 

各ガラスからの熱は温度計で確認でき、実際に触れて体感することができます。
各種ガラスの温度を温度計と体験で知る

 

また、サーモカメラで視覚的にも理解しやすくなっています。
各種ガラスの伝導熱の違いをサーモカメラで確認する

 

Low-Eガラスには、UV(紫外線)をカットする機能もありますが、実際のカット率も測定できます。
各種ガラスのUVカット率を調べる

こちらのショールームYKK AP ショールーム名古屋)は、自分で見たり体感するだけなら、予約も不要なので気軽に利用できます。

ご興味があれば、訪問してみてはいかがでしょうか?

 

■アルミサッシの数倍もの断熱効果を発揮する
《樹脂サッシ》とは

 

#Low-Eガラス #断熱 #遮熱 #紫外線カット

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