もし家を建てるなら
省エネ住宅という言葉の認知度が高くなってきたと思う一方、実際にはどれほどの効果があるのか、あまり知られていないとも感じます。
カタログやホームページで性能の高さをうたう建築会社は多いですが、実際はどうなのか?には触れていないところがほとんどです。しかし、住宅の省エネ性能は、建物の長期性能として重要です。なぜなら、日常生活での光熱費の低減と言う費用軽減だけでなく、室内環境を快適に保つことにもつながり、それは、家族の健康を長期間に渡って守ると言う、お金には代えがたい価値をもたらすからです。
今回は、アイジースタイルハウスの住宅で暮らすオーナー様の建替え前と後の住居による光熱費の実態をお見せします。
1.省エネ住宅とは
これまでよりも使用するエネルギーの量が省ける住宅です。省エネ性の良し悪しは、電気、ガスの様なエネルギーの使用量で計ることができます。
省エネ住宅は、住宅の光熱費を低減するので家計に優しい住宅と言えます。
2.省エネは熱のコントロール
建物には、その中で快適に人が過ごすためのエネルギーが必要です。必要なエネルギーとは、宅内の人が快適に過ごすのに必要な温度や湿度など温熱環境をコントロールする為もので、すなわち「熱」のことです。
夏に外部から侵入してくる熱を下げる為の「温度の低い熱」と、冬に外部へ逃げて行く熱を補うために必要な「温度の高い熱」が必要なエネルギーです。この熱と言うエネルギーを効率的にコントロールできるかどうかが、省エネ性能のカギとなります。
では、建物の熱は、どこからどれくらい出入りするものでしょう?それを示すものがこちらです。
3.省エネ性能向上の着手ポイント
上記の図の通り、夏と冬で建物の熱の出入りがダントツに高いのは、窓(開口部)です。従って、省エネ性能を改善するには、まず開口部(=窓)に手をつける事が最も重要です。そして、次に外壁となります。
この2点を改善するだけで、夏冬の不快な室内環境を70~90%改善できます。
せっかく新築するのであれば総合的な省エネ対策を講じておくことで、長期に渡って快適に過ごせる上、将来リフォームをする時にも、余計な断熱工事をしなくて済むので、リフォーム費用を節約することができます。
高い省エネ性能を実現するには、まず建物が高い断熱性能を持っている事が大前提となります。経産省のエネルギー庁でも、この様に示しています。
赤枠で囲った部分の通り、建物は、窓、外壁を始めとし外周部全体に断熱工事を施すことで、建物の熱の出入りを抑制します。
4.省エネ性能の高い住宅の実績
では、ここで実際に弊社でお建て替えいただいたオーナー様宅における、省エネ性能の実態をご覧いただきます。
省エネ性能は熱のコントロールとお話ししましたが、それが効率的にできているかどうかは、そのまま光熱費に反映されます。従って、省エネ性能の実態は、建替え前と後の光熱費の比較によって理解することができます。
3-1.建替え前と後の光熱費(単位:円)
この通り、年間の合計金額でみると、建替え前住居では約13~14万円だったものが、建替え後住居では8~9万円と、約5万円ほど削減されています。
これをグラフにすると
ご覧の通り、光熱費(エネルギー)削減の効果が一目瞭然です。
また、各月ではどうかと言うと
建替え前住居のグラフ(青、赤)よりも、建替え後住居(緑、紫)のグラフが全ての月で光熱費が下回っていることがわかります。
5.最後に
省エネ性能は、使用する材料の組合せによって、カタログ上の数値では高い性能をうたうことが可能です。しかし、これは自動車の燃費と同様に、実生活で使用した場合にそのまま適用できる訳ではありません。
自動車なら簡単にカタログと実性能の差を認識できますが、省エネ性能は、最低でも一年間はデータを取る必要があり面倒です。まして、新築住宅に転居する前の光熱費を保存しておく方もまれだと思います。そもそも新築してからデータを取っても、比較する過去のデータが無いことの方が多く、どれほど省エネなのかがわからないと言うのが現実です。
そして、高い断熱性能や省エネ性能をうたう建築会社のほとんどが、この様な比較データを掲載していないと言うのも、実際の建物ではカタログ上の性能が出せていないことを知っているからなのかも知れません。しかし、省エネ性能の高さは、今後のあなたと大切な家族の健康と快適な暮らしを実現する上で、最も重要なテーマです。
これから、マイホーム新築の計画を立ようと言う方は、ぜひ、耐震性能とともにこの省エネ性能(≒断熱性能)についてもしっかりとご検討されることを、強くお勧めいたします。
#省エネ住宅 #性能 #光熱費