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檜のベンチ 座ってください。

2020.9.06

吉田です。

 

先日もお伝えした新店舗でのイベント第二弾が今度の日曜日に行われます。

もちろん、使うのは天竜の檜。しかも、今までは不要な部位としてチップにされていた端材を使って作り、浜松フラワーパークに設置します。

では、なんでそんな材料が余るのか、について説明しましょう。

 

オートメーションと注文住宅

現在の日本の住宅は、もっとも一般的な寸法で、床~天井が2400㎜(又は2420㎜)です。

で、この天井の上に2階の床を支える梁材を隠すパターンが多く、その梁は360㎜という大きなものが所々入ったり、電気配線やトイレの給排水管などを天井上に通したり、色々考慮していくと、1階の床~2階の床の高さ(階高といいます)が2800㎜~2850㎜になることが多いのではないかと思います。

 

では、そんな時、柱はどのくらいの長さが必要になるのか?といいますと、梁のサイズが240㎜(平均的)だとすると、2800-240=2560㎜。

柱の上下には、土台、梁に差すほぞ(♂)がありますので、その分を足すと、おおよそ2700㎜~2750㎜くらいが使われるということになります。

 

柱は一般的に3000㎜の長さですので、250㎜~300㎜は捨てられてしまう部分ということになります。

 

じゃあ、勿体ないから、最初から2800くらいで切ればいいじゃない、といきたいところですが、最近は天井高を高くする会社も増えてきています。

そうなると、2800㎜では足りない場合が出てきてしまうわけです。

 

山で丸太を切る段階では、その丸太がどこの会社に買われるかわかりません(市場でセリが行われる)から、「これは〇〇工務店分だから、2800でいい」という伐り方はできないわけです。

 

 

さて、梁材においてはもっと勿体ないことが起きています。

梁は一般的に4000㎜のものを加工して使用します。

 

では、実際の梁の長さがいくつかといいますと・・・3640㎜のスパンならそんなにロスもないですね。

問題は、1820㎜のスパン。つまり、これを切り取ると、2000㎜くらいの残りが発生します。十分資材として使えそうなものですが・・・

 

短くなってしまった材料は、オートメーション化されたプレカット加工機では更に加工することができないのだそうです。つまり、これもチップにしてしまう。

 

実際、これらは、全てその端材です。

 

 

今回のイベントでベンチになる資材は、全て、この端材を活用しています。

 

家を一棟新築すると、恐らく40~50㎥の残材・廃材が発生します(建築現場で把握できる量でこれくらいなので、恐らく各資材の生産においてはもっと多くの廃材が発生しています)。

国産材で建てて、新たな植林を行う。残材をできる限り削減する。断熱性能を向上させて電気の使用量を削減する。

 

少しでも地球環境負荷の掛からない家づくりは目指していきたいと思っております。

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