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2019.10.11
こんにちは、森です。
実は先日、耐震シミュレーションの研修に行ったときに
地震を体感してきました。
で、数字上では知っていたけれども
体感として改めて感じたことをつらつらと
書いていきます。
体感したのは『兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)』と
『東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)』。
地震の規模を表すマグニチュードはそれぞれ
兵庫県南部地震がM7.3
東北地方太平洋沖地震がM9.0。
最大加速度は
兵庫県南部地震が845ガル
東北地方太平洋沖地震が2933ガル。
最大震度はどちらも震度7。
この数字だけ見ると兵庫県南部地震より
東北地方太平洋沖地震のほうが強そう
ですがこの地震による被害は
圧倒的に兵庫県南部地震のほうが
大きかったというのが事実です。
同じ震度7を記録した地点でも
兵庫県南部地震では木造住宅倒壊率が半分以上で
東北地方太平洋沖地震ではほぼゼロ。
その差は何かというと『地震動の固有周期の違い』
と、言われています。
この図は兵庫県南部地震と東北地方太平洋沖地震の
加速度応答スペクトルです。
加速度応答スペクトルとは周期ごとの地震波の強さを
表しています。
詳しくはこちらにわかりやすく(?)説明されています。
マニアックに知りたい人は読んでみてください。
この中の【図2】の概念図が分かりやすいかも。
上の図を見ると黄色で網掛けしてある周期が1秒から2秒のところで
兵庫県南部地震が非常に強く東北地方太平洋沖地震では
それほど強くないのが読み取れます。
この周期1秒から2秒の地震波が
木造建築物の固有周期と近く共振しやすいので
木造建築物にとっての天敵で
【キラーパルス】なんて言われたりもします。
で、初めの話に戻ります。
この機械が地震の体感できる機械なのですが
このイスに座っていると実際の地震の揺れを
体感できるというスグレモノです。
起動前で余裕の増田さん。
本当は動画で撮ってきたので動画で
見ていただいたほうが分かりやすいのですが
データが重すぎて載せることができないので断念。
これで兵庫県南部地震と東北地方太平洋沖地震で
体感しました。
兵庫県南部地震はこのイスが前後左右に
1mぐらいの範囲でゆっくり大きく揺れていたのに対し
東北地方太平洋沖地震では30センチぐらいの
範囲で小刻みに速く揺れていました。
ゆっくり大きく揺れるのは地震波の中に
周期の長い成分が多い証拠。
また小刻みに速く揺れるのは
周期の短い成分が多い証拠。
まったくもってこの図に表わされている
周期の違いによる地震の揺れ方の
違いを体感することができました。
動画で見ると本当によく分かるのですが
お見せできないのが非常に残念。
同じ震度7でもこんなに性質が違うものなのかと
思うぐらい違いました。
でもこの結果っていろんな物件で
いろいろな条件で耐震シミュレーションしていると
その通りの結果が出てくるんで
わかってはいたんですけどね。
やはり最低でも神戸の地震で倒れないように
設計していけばある程度大きな想定外の地震がきても
何とかなるのかな~とか輪島の能登半島地震だと
周期が2秒ぐらいの成分が多いんで能登半島地震でも
シミュレーションしたほうがいいのかな~とか
考えつつ改めてこのシミュレーションが『耐震』を
考えるのに非常に有効だと感じました。
つらつらと書いてきましたが
こんなマニアック内容読む人いるのか?と心配しつつ
今日のところはここまでにします。
では、また。