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2021.2.25
お客様からよくエアコンを何帖用にすればよいか聞かれます。
で、それに対する考え方を書いていきます。
断熱性能を表すUA値って何なの?から説明します。
UA値は『外皮平均熱貫流率』で以下の式のようにあらわされます。
建物が損失する熱量の合計とは
外部と室内に1℃の温度差があった時に天井、屋根、外壁、窓、基礎から逃げていく熱の合計のこと。
次に外皮面積とは
断熱材で囲われた熱的境界となる天井、外壁、開口部(窓、ドア)等の面積のこと。
で、建物が損失する熱量の合計を外皮面積で割った数字がUA値『外皮平均熱貫流率』となります。
つまりUA値は数字が少なければ少ないほど室内から外部に逃げていく熱量が少ない=断熱性能が高い、ということになります。
もうすこし踏み込んで考えていくとUA値というものが分かりやすくなってきます。
例えばUA値=0.5の住宅があるとします。
で、外気温が0℃、室内温度が20℃、外皮面積が300㎡の住宅があるとするとその時に室内から室外へ逃げていく熱量を計算すると
上の式から
UA値=建物が損失する熱量の合計/外皮面積
0.5W/㎡K =(逃げていく熱量/20℃)/300㎡
逃げていく熱量 = 0.5 × 20 ×300
= 3000W
となります。
ということはこの条件で3000W(3kW)の熱量を加え続ければ室温は20℃から上がりも下がりもしない、ということです。
で、3kWの熱量ってどれくらいの熱量かということですが上の図はあるメーカーのエアコンのカタログから引っ張ってきたのですが下で囲った部分がそのエアコンが加えることができる熱量になります。
これによるとこのエアコンの10畳用で十分ということになります。
ちなみに外皮面積300㎡って大まかに床面積30坪弱ぐらいの建物になります。
ということは単純計算では30坪のUA値0.5の建物で外気温0℃で室内温度20℃をキープするには10畳用のエアコンで十分、となります。
結構、すごくないですか?
実際はこんな単純計算ではないのですが、概算ではこれぐらいになります。
もう少し詳細に計算しても上の条件で20畳用が必要になることはありません。
各部屋に部屋の広さに応じたエアコンを設置する必要はもちろんありません。
完全にオーバースペックです。
さらにこういった計算をしていくとUA値を0.1高いとか低いとかを気にしすぎることがバカバカしくなってきます。UA値0.1程度変わっても逃げていく熱量は大した差にならないからです。
ということでエアコンの容量に悩む方の一助になればと思います。
で、こんな感じでエアコンの容量を計算して床下エアコンとしたモデルハウス完成するのでこちらで体感していただければと思います。
では、また。