ブログBLOG
2020.10.22
吉田です。
昨日の新聞に『温暖化ガス 2050年実質ゼロ 首相、所信表明で方針』と出ていましたね。これまで曖昧にしていた年限を、今回は明確に表明するとのことですが、さぁ、どうしましょう、というのを考えていきましょう。
今、一般的に言われているのは、森林などのCO2吸収はこれ以上期待できないから、発生する方を削減するしかない、というザックリな方向性ですが、建築という観点で考えると、これがそうでもないと言えます。
これは、いままでもブログでお伝えしていることですが、日本の森林が適切に伐採されて、植林されてというサイクルが実現できているなら、発生を抑制するしかないですが、このサイクルがまだまだ改善の余地が大きいので、しっかり努力しましょうと、私は思うわけです。
例えば、私たちが家づくりで使用している杉と檜でみてみると・・・
樹齢10~20年の杉 1ヘクタールあたりで年間に吸収する炭素量は4.2トン
これが、樹齢70年になると0.8トン程度になってしまいます。
檜では、樹齢10~20年で2.5トン。樹齢70年で0.3トンほど。
私たちが主に使っている樹齢70年を超える檜は、炭素の吸収量が極めて小さいといえます。CO2削減という観点でも、大径材(樹齢70年を超え大きくなった木)は伐採して、新たに植えていくことが大切なんです。
1家庭から発生するCO2の1年分は木の吸収量だと500本以上に相当するというデータなどもありますが、大事なのは『樹齢』です。
樹齢100年を超える杉しかなかったら、3000本あっても足りないくらいかもしれません。
といういことで、新事務所では、こんな材料も使ってみました。
下の丸太は樹齢80年ほどの杉。
このテーブルは樹齢120年ほどの檜です。
木を使うことを楽しみながら、結果としてCO2削減に貢献します。
・・・っというくらいのスタンスがいいですね。