もし家を建てるなら
エコハウスという言葉をご存じですか?
エコハウスの定義は、環境省による建設促進事業のホームページでは「地域の気候風土や敷地の条件、住まい方に応じて自然エネルギーが最大限に活かされることと、さらに身近に手に入る地域の材料を使うなど、環境に負担をかけない方法で建てられること」とあります。しかし、より現場での実態を知る建築業界では、長年に渡る経験から得られた技術的な知見に基づく、より現実的な建物の設計や仕様によるエコハウスが広がりつつあり、当社では松尾式エコハウスを採用しています。
今回より4回に分けて、当社が取り組む高性能住宅としての「松尾式エコハウス」という家づくりについて記事を書き進めていきます。
【エコハウスシリーズ】
高気密高断熱住宅からエコハウスへ
家中、夏涼しく冬暖かい。
快適で健康な住まいを、できるだけ抑えた費用で実現させること。
私たちアイジースタイルハウスがこの住宅建築事業を始めた2006年から、木造住宅のあるべき姿としてずっと取り組んできたテーマです。
今では、高性能住宅と呼ぶのに欠かせない高気密高断熱性能ですが、2010年代半ばまでは、気密性どころか断熱性能だけでさえも軽視している建築会社が多数派でした。しかし、少数ではあるものの建築業者や関連メーカーの地道な努力により、断熱性の高さによる室内の快適性、有病率や血圧など健康にも多大な影響があるということが分かり始め、今では国交省も定期的な調査事業を行っているほど、住宅における重要な性能という認識が高まっています。
しかし、実際の現場で家づくりに取り組んでいると、快適で健康、そしてコストを掛け過ぎない建物とするためには、気密断熱の他にも適切な冷暖房の設計や太陽の陽射しをコントロールすることなども大きな効果があることが近年明確になってきており、最近では、これをエコハウスと位置づけ、国内の木造建築として普及させていこうという動きが活発です。
エコハウスという家づくり
家づくりでまず気になるのは、間取りとデザイン、そして建築費というのが一般的でしょう。しかしその多くでは、できるだけ長く快適に住み続けるという視点に欠けており、そのための性能が軽視されがちです。その結果、せっかくの新築にも関わらず、夏は暑く、冬は寒く、冷暖房費が転居前より大幅に上昇してしまうというケースが後を絶ちません。
この現代においても、目に見えない気密性、断熱性を軽視することでコストを抑えた家づくりはまだまだ多く、やっと建てた家は、建築費用として見ていなかった「光熱費」が予想以上に掛かり、家計を圧迫してしまう建物が量産されています。
大切なわが家の建築だからこそ長く快適に住み続けたいものです。そして、そのために必要な事は、高気密高断熱だけではない高性能住宅を建てることです。
当社では、120年以上建築物のメンテナンスを行ってきた実績と歴史から、出費を抑えながら快適に長く住み続けられる住宅を目指し、「松尾式エコハウス」による高性能住宅を提供します。松尾式エコハウスは、数十年に渡り高気密高断熱による高性能住宅の建築を実務レベルで実証してきた建築会社が到達した、エコハウス建築の設計ノウハウの集大成です。
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余談ですが、当社の建物の高性能化には、震度7の連続発生にも耐える「耐震等級3」にも対応した耐震性も標準仕様としております。
設計方針
建物の断熱性や気密性の指標となるUA値やC値といった数値があります。これらは、客観的な気密断熱性能を知るためのひとつの手がかりになることは確かです。しかし、実際にはこれらの数値を追求するだけで実効性の高いエコハウスができるものではありません。また、当社が提供したいと考えるエコハウスは、できるだけコストを抑えることも含んでいます。
アイジースタイルハウスでは
「特別な材料や工法を使わず、高性能で快適な家で手の届く価格」
「30年を目安にとした建築費、冷暖房費、設備機器の交換費が最安になるような選択」
これらを設計方針とした仕様、工法の選択、間取りの検討をします。
設計手法と優先順位
では、実際にどんなポイントに、どんな優先順位で設計を進めるのか?
それは
①適切な冷暖房設計
②太陽に素直な設計
③建物の高断熱化
の3点で、優先順位もこの順番であることが重要です。
各ポイントの概要
①適切な冷暖房設計
効率の良い冷暖房効果により冷暖房費を抑えられます。また、今までの様な1室1台のエアコン設置が不要となるため、冷暖房の工事費も抑えられます。
②太陽に素直な設計
利用するのに費用の掛からない太陽の熱を上手く活用する設計です。
冬の日射はできるだけ取入れ、夏の日射はできるだけ遮蔽するということですが、この日射を最大限活用できるようそのプランニングには、勘などではなく建物にどの様に日影が落ちるのかを図示した「日影図」を取入れています。
③建物の高断熱化
高性能住宅に必要な、最も一般的な手法です。
基本的には、建物の外部に接する部位である屋根、外壁、窓、基礎を断熱化します。先に記したUA値は建物の断熱性能の指標ですが、これらの断熱仕様を対象に計算します。つまりUA値は、エコハウスの性能に重要な「適切な冷暖房設計」や「太陽に素直な設計」による効果を含んでいないので、この値だけを重視していては建物のエコハウスとしての性能を正確に理解、把握できません。
アイジースタイルハウスのエコハウス設計
これらのポイントについて、当社のエコハウスは次の様な方針で設計を進めています。
①適切な冷暖房設計の方針
2台のエアコンと第一種換気で家中の温度湿度をコントロールし、快適に暮らせる空間を作ります。
②太陽に素直な設計の方針
経験や勘などあいまいな要素に頼らず、太陽光の入り方や日影図を活用して「間取り・窓・建物形状」をプランニングをします。
③建物の高断熱化の方針
施工箇所に合わせた断熱材を使用し、断熱等級6・HEAT20 G2仕様の高い断熱性能を実現します。また、第一種換気との組合わせで、HEAT20 G3と同等の性能を実現していきます。
ここまで、当社が取り組むエコハウスの概要を大まかにご説明して参りました。
今後は、それぞれのポイントについて、もう少し詳しい記事を書いていきます。
以下より、ご覧ください。
【エコハウスシリーズ】
設計者ブログ「松尾式エコハウス実現に向けて本格始動」
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