もし家を建てるなら
花粉症の対策については、薬やサプリ、マスクなどのグッズによるものから食品まで膨大な量の情報が出回っていますが、家づくりにおける花粉症対策も一定の効果が期待できます。
これから家づくりをお考えであれば、花粉症対策も兼ねた間取りや工夫でなるべく花粉を室内に持ち込まないような対策を取ることができます。
中部地方では、スギ花粉のピークが過ぎ始めると共にヒノキ花粉のピークがやって来るこの季節、当社で実際に花粉症対策の効果があった家づくりでの間取りや工夫の事例をご紹介します。
玄関でできる花粉症対策
花粉症がこれほど大きな話題となる前の時代、外から帰ってきた子供は「ただいま!」と言うなり台所やリビングに駆け込み、食卓の椅子やソファに座ると同時にテレビを付ける様な生活スタイルが当たり前でした。しかし今では、花粉をいかに室内に持ち込まないかが効果的な花粉症対策になることも分かってきており、「ただいま!」の後の行動にも変化が見られます。
例えば、玄関に入る前に上着をはたき花粉を落とすことは基本ですが、それでも目には見えない小さな花粉は落とし切れません。そこで、帰宅した際、一番花粉が付いている上着を、玄関の土間や隣接した空間にコート掛けを設け、そこに上着を掛けておける間取りはいかがでしょうか?
玄関土間に隣接して設けたシュークロークに併設したコート掛け
靴を脱いで上がる玄関ホールに設けた収納棚とコート掛け
玄関に入ってすぐの場所にコート掛けを設けることで、花粉の付いた上着を不要に室内に持ち込まないことで、花粉との接触機会を大幅に減らすことができます。もちろん、ここで大事なのは、玄関ホールから続く次の部屋との間には建具で空間が仕切られる様にしておくことです。
手洗い、うがいも玄関で
また、皮膚やのどなどの粘膜に付いた花粉やウイルスも同様の考えによる対策が有効です。当社でもよく見られる様になってきたのは、小型の手洗い器を玄関土間やホールに設置することです。
玄関土間外壁側に設けた手洗い器
玄関ホールに設置した手洗い器
実際に設置いただいたオーナー様からは「玄関に入ると目の前に手洗い器があるので、帰宅時のうがいや手洗いが自然に習慣になった。」というお話も伺いました。
洗濯物に花粉を付けない
せっかくきれいに洗濯した衣類を、花粉症の季節に外で干してしまうとやはり大量の花粉が付着してしまいます。そこで、室内に物干竿を吊り下げられる様、天井に吊り金物を設置したり、物干ロープ用の器具を壁に設置したりして、洗濯物を室内干しできる様にするのもひとつの手です。
廊下を広めに取りスタディコーナーなどにした空間に物干を設置した例
当社のオーナー様宅でも、室内干しができる様、物干竿を吊り下げられる事例が多くあります。特に、弊社の外壁は室内から屋外へ向けて湿気を放出できる作りをしており、梅雨の季節も比較的湿度が抑えられることから、年中室内干しをされているケースが多いと言う特徴があります。
人気の間取りの注意点
ここまで、家づくりの際にできる花粉症対策のご紹介でしたが、その反対に花粉を室内に持ち込みやすい間取りもあります。
それは、当社のお客様からも注目度の高い、「玄関土間から直入室」タイプの間取りです。
当社の様な高気密高断熱仕様の建物であれば、玄関土間であってもリビングなどの居室とほとんど変わらない室温を一年を通じて保つことができるので、これを上手く活用した玄関土間からリビング等へ直に入室する間取りに注目が高まっています。リビング等が玄関土間を含めた一体の広い空間にできること、玄関ホールや廊下など余分な空間を省けることなど、昔からの家づくりにはない大胆な間取り可能です。
玄関土間とリビングが広々とした一体空間を成した間取り
しかしながら、玄関扉を開けるとすぐに居室が広がっていることから、衣類に付いた花粉を室内に持ち込むことになりがちです。もちろん、上で述べた対策の様に、玄関土間にコート掛けを設けることもできますが、そこを含めてその居室とは一つながりの空間となってしまうため、花粉症対策としての効果も限定的でしょう。
花粉症も気にしたいが、どうしても玄関土間からの直入室も採り入れたいのでしたら、土間と居室を遮断することができる建具の設置をお勧めします。
この様に、間取りとしてはとても魅力的な「玄関土間から直入室」ですが、花粉症が気になる方は、どうそご注意ください。
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