もし家を建てるなら
住宅の取得を計画する上で、各種の補助金、減税等による支援を受けられる場合があります。
中古住宅市場の活性化に力を入れる政府としては、リフォームに関する補助金がかなり充実していますが、新築住宅の取得においても、まだまだ活用できる補助金があります。
補助金は各種減税や金利優遇される住宅ローン「フラット35S」などとの併用が可能ですが、一定の条件下では補助金同士の組合せも可能です。
補助金、減税、金利優遇などあらゆる優遇施策を上手に活用するため、まずは新築住宅取得のために用意されている補助金を知り、その上でどんな組合せが可能なのかを見ていきます。
1.住宅新築で使える補助金
住宅(分譲、賃貸を除く)を新築する場合の各種支援策は次の通りです。
①すまい給付金
都道府県民税の所得割額に応じて支給される給付金。
金額:10~30万円(※消費税増税後は最大50万円の予定)
②ZEH支援事業
ZEH、Nearly ZEH、ZEH Orientedの認定を取得した住宅に対する補助金。
金額:一律70万円
③ZEH+実証事業
従来のZEHよりも省エネ性能に加え、太陽光発電システム等によるエネルギーの自家消費対策をするZEH+の認定を取得した住宅に対する補助金。
金額:一律115万円
④先進的再エネ熱等導入支援事業
「ZEH支援事業」、「ZEH+実証事業」の補助住宅が、先進的再エネ熱等の設備を導入した場合に活用できる補助金。
金額:1戸あたり90万円
⑤サステナブル建築物等先導事業
建設時、運用時、廃棄時のライフサイクルを通じて、CO2の収支をマイナスにするLCCM住宅に対して活用できる補助金。
金額:1戸あたり上限125万円
⑥スマートウェルネス住宅等推進モデル事業(一般部門)
高齢者等の居住の安定確保および健康の維持・増進のための先導性が高く創意工夫を含む提案に対して支給される補助金。
金額:1戸あたり上限200万円
⑦地域型住宅グリーン化事業
グループに参加し、省エネルギー性能や耐久性等に優れた木造住宅を建設した場合に、タイプに応じて支給される補助金。
金額:最大160~190万円
⑧家庭用燃料電池システム導入支援事業基準
基準価格以下のエネファームに対して支給される補助金。
金額:1台あたり 6万円(固体高分子形)、上限12万円(固体酸化物形)
適用には限定的な条件が必要なものもありますので、まずは計画中の住宅が適用可能かを調べることが先決です。
お打合せ中であれば、その建築会社に聞いてみるのが一番良いと思いますが、補助金のことを良く知らない場合もあるので、そのままお打合せを続けても大丈夫か?と言うことも注意した方が良いですね。
2.補助金の組合せ可否
先に述べた通り、各種補助金は各種減税と金利優遇型の住宅ローンとの併用には、問題はありません。
補助金の場合は、例えば、異なる省庁による制度であっても補助金を支給する対象内容が同じ場合は、重複して受けることができません。この場合は、補助金が多い方を選択することになります。
次の表でしっかりと確認してみて下さい。
(LIXIL|WEBカタログ|家づくり優遇制度ガイド(平成30年度版)のP13の表を当社にて加工しました。)
3.限られた募集期間
どの補助制度も年度内(翌年の3月31日)に事業(建築工事ではなく、その補助事業自体)を完了することになるので、自ずと募集期間が限られてきます。
実際、相当打合せが進んでいたり、ご契約後であったりする場合、「補助金の適用を受けたい。」と建築会社に伝えても、書類作成が間に合わなかったり、実際の工事に影響が出る可能性があるので、募集期間は建て主ご自身が確実に把握しておく必要があります。
補助金申請の募集期間と事業完了時期
(LIXIL|WEBカタログ|家づくり優遇制度ガイド(平成30年度版)のP9、10の表を当社にて加工しました。)
表の通り、ほとんどの事業で当年度の前半に募集が終了しています。
つまり、補助金を受けようとすると、かなり前もって調査と準備が必要になります。建築会社と二人三脚でしっかりと進めていってください。
3.2019年度の補助金は?
補助制度は、ほとんどがZEH基準への対応を目的とした制度になっているのが実態です。
ZEHの補助制度は、国土交通省、経済産業省、環境省が連携して各種の支援策を実施していますが、例えば環境省の2019年度概算要求では、ZEHの補助金だけでも98億円もの金額を要求しています。これは、前年度と比較して13億円も増えており、次年度も現在と同じかそれ以上の補助制度が見込めるのではないかとも考えられます。
また、消費増税に伴う増税前の一時的な景気上昇とその反動による冷え込みを回避するため、住宅建築においては、住まい給付金の増額やポイント制度の創設も計画されております。
これらは先日2月5日に閣議決定されたため、後は3月の成立を待つばかりです。
新築住宅の補助制度適用には、ZEH基準など決して低いとは言えないハードルをクリアしなければなりませんが、給付金などは、給付金の増額だけでなく適用される年収層が拡大しています。
新年度の開始までにまだ2ヶ月近くあります。新築住宅の取得をご計画中の方は、この期間を使って上手な補助金活用のスタートダッシュを切ってください。
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